2021年12月09日

体の骨格が整えられて骨組みが完成できたら、次のステップです。 今度は、ムダな筋肉の収縮を、どんどん、緩ませてくださいね!


ここ最近、お客様の中で、
私が「もう、あなたは筋肉に力を入れてがんばるよりも、力を抜くことを覚え練習してくださいね!」と、
脱力の勧めをさせていただける方が増えてきました。


それは、私にしても、お客様にとっても、ものすごく嬉しいことです。

体質がある程度安定できるような基礎的な条件が整えられ、同時に身体操作の概念が頭に収めるよう試行錯誤をなさり、
自身の身体を正しく導けている方でなければ。
私は、あなたは無駄な筋肉の力を抜くのが課題ですねとは、笑顔でいうことはできません。

むかし、脱力が大事だと書物等で訴えられていたタイトルを見て、思慮浅くそうしてみて、
手痛い失敗をしたという人、いませんか?

私、そうした失敗を、恥ずかしながらしたことありますよ。。。
とりあえず脱力、脱力、、、そして脱力。。
するとカラダの骨格構造を無視した脱力をしたツケが腰や首の激痛になり悲鳴を上げました。

それは、25年ほど前のことだと思います。




ただ、脱力するということに意義がないわけではありません。


カラダの筋肉の緊張を緩めるのは、次のような意味があります。

すでに筋肉が収縮して緊張を起こしていると、もっと筋肉をさらに緊張させ力を発揮しようとしても無理があるのです。

柔らかめなゴムまりを押しつぶすときと同じで、
押しつぶすはじめはたやすくつぶれても、
半分もつぶれたらつぶれにくくなるような抵抗が感じられます。

そしてその抵抗を無視して、さらに、強烈につぶしたらどうなるか?

「パンッ!!」っていって、爆発して壊れてしまうんです。


人間の筋肉も、ゴムまりと同様なことが起こります。
すでに筋肉が収縮しているが、さらにもう一度、ぎゅっと筋肉を緊張収縮させようとすると、筋繊維がプチプチと断裂しだすという形で壊れ始めるのです。
ですが人体の優れた点は、そのような筋繊維のダメージを避ける機能があるのです。
なのでいったん筋肉を収縮させてから、さらにもっと収縮させようとがんばっても、筋繊維を助けに来た機能が抵抗して収縮をストップさせるわけ。
つまり、ちょっと力を出して筋収縮しただけでも、筋力をさらに発揮させて筋収縮をさせたくても。
自己防衛本能的な筋肉の過剰な収縮から筋断裂を避ける機能によりパワーが本来の状態より劣る出力しかだせません。

そういった筋肉の特性を知っていれば、相手が自らの筋肉を収縮させてパワーを発揮させて襲いかかってきたときは、その筋収縮を多少でも助長させるような操作を反射的に加えてあげます。
そうやって過剰の筋収縮から筋断裂を避ける機能のスイッチを入れてあげれば、相手には攻撃色をだせなくなる。
つまり意識では筋肉を収縮して力を出せと命令がだされるが筋肉をそれ以上収縮させるのはまかりならないと言っている。
そうなったときは、よほどの命の瀬戸際で筋断裂から身を守る必要があるときなら過剰の筋収縮を避けるリミッターが外れて筋収縮ができますが、
そこまでいかないなら、さらなる筋収縮をさせる意思は負けて、そのものの筋肉は硬直したフリーズ状態に陥るわけです。
通常はこうしたフリーズが起きればとっさの抵抗はできません。





なので、中途半端な筋肉に収縮がされている状態って、その時点で終わってるんです。
たとえ、無意識に筋肉に力を入れる癖があっても、その時点で負けているといえます。

そうした状態に陥らないようにしたいですよね。
しっかりと筋肉の収縮をほどいて深く緩められた状態にいることが、次の瞬間に最高の筋肉の力を発揮させることにつながります。


無駄な筋収縮を減らせば減らすほど、次の瞬間にいいパフォーマンスができます。


それは一流といわれるようなスポーツ選手を分析してみたときに、このような筋肉の弛緩状態を引き出すことができているようです。
一連の決まった動きをすることで筋肉の弛緩と心理的な無駄な緊張収縮をもゆるめることで、パフォーマンスを引き上げられる状態を作ります。



そうできる人の条件があります。


・すでに十分に骨格を正しておけるような筋肉の弛緩が深いレベルでかなえられていること

・そのうえで骨格や全体の構造をバランスを感じつつ理想位置に配置することができること


そうした条件がかなえられた度合いの高さに比例して、筋肉の弛緩のあり方が見直すことができるようになります。

ただ、、、残念ながら、体幹となる脊椎の湾曲が強いときには、がんばって意識的に筋肉を弛緩させようとしても、
そうすることにより体調を悪くする人がでてきます。
なので体幹に関係する仙骨の立ち方や脊椎の上方へのつらなり具合からみると、
筋肉を弛緩させることをがんばろうと言ってしまう前に、
骨格構造を正しい位置に置く理解を実際的に体験して深めてもらうことのほうが大事になります。
骨格構造体が、ずれが生じているから筋肉をわざと固めて崩れた骨組みを崩壊させないよう必死にカバーしている。
そういうことが多くあれば、
そういったときの骨組みを支える操作は、カラダの体制が崩れて、頭や顔が地面に打ち付けられ損傷することを避けるため、
不用意にそれらを緩めることはいたしません。
それができないようにする身を守る強烈な優先度の高いプログラムが効いての反射で筋硬化を作って弱化した骨組み構造の補完をする機能なのです。
通常、おとなになってから、自らの努力のみでこちらの状態を良好に変更させることがむずかしいため、
運動系のボディワークや、私どものような筋膜リリースによるボディワークなどにより、
徐々にそのものの本来の骨格構造上の骨組みの正しい位置へ身を置けるように外圧や動きの指示で良好な改変への道筋を体験していただ来ます。
そうすることによりかつてからのミスアライメントの骨格構造の弱いままの状態と、
安定的な強度の増した骨格上の安定した位置を比べてもらいます。
通常は、前者の骨格のずれをもったかつての馴染みをもった状態を心地よいと感じるでしょう。
筋膜のリリースが進んだ後に関節可動のキャパが増えて骨格上の安定位置を体験できるようにできたとき。
だいぶ、自覚的にはいままでしてきた姿勢と具合が違って違和感を感じるものの、
私がその人を前後左右から押しても根が生えたような安定した崩れにくさを実感します。
その実感が皆無であれば、、、おおよそ、大抵は新たな生理的に理想の位置に骨格を置いてみても、
早々に以前の慣れによる悪癖を秘めた体感により垂直性が崩れたミスアライメント状態に陥らせる方向へカラダの芯を導いて、
カラダをどこに置けばいいかわけが解らなくなる迷宮に入ることが多いでしょう。




だから、十分な下準備で新たな骨格構造の状態位置に開眼できるよう、
そこに手当ができていないうちに、筋肉を緩めろと言われても、、、。
それは「こんにゃく腰」のような不安定で新たな歪みを作り出して複雑なコリの状態を助長するので気をつける必要があります。
( ※ 自身の骨格構造が理想的な自立をかなえられない状態のまま、筋肉をゆるませることばかりを意識する指導を受けた方が、体調不良が多発したことを、私は知っております。約半分はギックリ腰になってました。。)



ということで。

すでに十分に筋肉にあった癒着がほどけて弛緩できた。
(たとえば、腕や足の筋肉の上から触ってみて、骨の細い輪郭が触って識別できる者のこと。もちろん、カラダの他の部位も同様に骨の輪郭が筋肉越しに見える状態です)
そうして正しく骨格構造の位置を理解して、その位置に自らの力で持っていけること。
正しい位置に骨格を据え置くために移動させるときには筋力を使うわけですが、
正しい位置に骨組みをこさえて強い身体構造を作り終えたとき。

それが理想の筋肉の弛緩をしうる状態ですね。

この方向に意識して進むことで、あらたな身体操作の用法を見つけることもできます。



だからお客様の中に、特に、特別な運動系のスポーツを激しくなさっておられない方のなかに、
私が「もう、あなたは筋肉に力を入れてがんばるよりも、力を抜くことを覚え練習してくださいね!」と、
笑顔でいえるシーンを迎えられることは、ほんとうに嬉しい。
ボディワーカー冥利に尽きる。

多謝です!
posted by スズキ at 19:26| Comment(0) | 体の使い方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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