
上図が姿勢による椎間板の負荷のかかる度合いを示したものです。
では、一歩踏み込んで考察してみましょう。
「脊椎と内臓の関係」という図があります。

椎間板が委縮して位置がずれると、
椎間孔という神経の出入り口が圧迫されます。
するとそれに関係する椎間孔を通って内臓や諸器官につうじている神経に異常がでてきます。
形態的には、
椎間孔部分で脊髄神経が圧迫を受けることもありますし、
脊髄神経が引き延ばされて神経が細ることもあります。
そこではアナログテレビのアンテナケーブルを踏みつけると、
テレビ画像が乱れますが、それと同様に体内情報の劣化が起きています。
脳へ届くはずの正常な像(データ)が送れないし、届いていないのです。
すると、欠損した情報部分に対して脳が多くのエネルギーをつぎ込んで「だいたいこんなもんだろうか」と、
状態を推測して動かすような補完作業をおこなうこともあります(運動器系など)が、
そのまま欠損した情報が補われず内臓との情報がやり取りされて誤作動がおきることもあります。
自律神経系の失調した状態といえる情報の欠損ですね。
そういったこととならないよう、
椎間板が縮み脊髄神経へ負担がかからない姿勢でいることが大切です。
施術でお客様の体をチェックするときの様子では。
「脊椎と内臓の関係」の図よりわかりますが、
下部腰椎の椎間板が狭窄しゆがみがでることで、
大腸や生殖器に通る神経に不都合がでてきます。
施術中に腰椎の棘突起がずれが確認できていれば、
「大腸という消化器の不良や生殖器に悪影響がでているのではないか?」と推測しています。
同様に、上部胸椎がずれていたら、呼吸器系や循環器か、
上部頚椎がずれていたら内臓全体に問題がでていやしないか。
等々ですね。
それをみてときどき上位にあたるような課題になるものが見当たるときには。
私は、たとえばそれを押さえてざっくりと「腰骨が左側へ詰まっていて、慢性化し後屈してますね〜」などと申します。
腰椎は、悪化の初期段階では前屈の度合いが増すのですが、その前屈という内臓方向への移動が強くなると、
その移動が強すぎたまま時間経過を過ごすと腰椎が後ろ側に反りだし固まるという状態になっていきます。
恒常的に過度な腰椎への圧迫が続いていることもあらわします。
本人が内臓部位の不具合を感じていることもありますがそれは初期〜中期ほどで、
慢性化が進む段階では、本人的にはその良くない状態に慣れてしまうため「あの時を境に不具合が治った」ということがあります。
実際は不具合に対しての慣れから脳がその不具合の事実に不調の見向きをしなくなるよう隠します。
または血流が悪化しすぎたために神経が麻痺をおこすことで不調がなく感じることがあります。
不具合が初期から中期では、本人は不具合だと訴えてくれるのですが、さほど血液検査値に重篤な問題はでてきませんが、
不具合が慢性化した状態は、本人はさほど不具合を感じていないときでも、血液検査等の値に異常がでていることがあります。
そのような点は、体内のコンディションがあらわれているもので、私どもの参考になります。
徐々に体にしみこんだ筋組織の圧迫から筋膜を組織的に癒着へと形を変えた負担蓄積は、
その悪コンディションに慣れて神経麻痺や不具合の受け入れをすると、
状態の悪化に歯止めがかからず組織の癒着が加速していきます。
そうなる場合、代謝が悪くなって血がその個所へと届く量が減じられてしまい
自動的に改善が促されることがあまりないのです。。。
施術で、パッパッと治るといってみても、
機能的な不具合を生じている部分が働きができるようにつなぐということをしているだけです。
体内の脈管が通りづらいため栄養不足や老廃物の侵入にあえいでいます。
そういう細胞組織はパッパッとよみがえったわけではないのです。
そこへ改善のバックアップをすることはできますが、
あくまでも本人の姿勢の改善等が鍵なんですね。
あと脊椎の椎間板の狭窄(つぶれ)は、
筋肉が柔軟なタイプの者と、強固な癒着がすぐ作られて解けづらいタイプでの違いがあります。
ここは詳しく描くとかなり複雑になるため割愛しますが、
柔軟なタイプの方は脊椎の椎間板に異常がでるのは速いので、
早々に深刻なつらい状態があらわれてきます。
強固な癒着がすぐ作られて解けづらいタイプの方は、
アレルギー等の冷えを体内奥の体温が高く上がるべきところで作り出されていて、
そこからの影響も心配なところがあります。
なんだか施術を受けてもすぐは治らないわよね〜といわれるとき。
この後者にあたります。
施術成果が目に見えてあらわれるときには、
本人が感じていた不具合も筋肉が柔軟で縮んだら目一方縮んで脊髄神経にノイズをあらわしたもので、
筋肉が柔らかさがあるものだから、施術でケアする場合はすぐに効果が見られるようなタイプです。
ただしこの場合ほど、姿勢上の脊椎の負担をかけるなら、即、影響がでていきますし、
凝りを創りやすいものは寝ても凝りが温存されてつっかえ棒として脊椎を支えるが、
軟らかいタイプの筋を持つものは寝たらほどけて脊椎の軸がぐらついて起立筋群がぐいっと委縮しますから。
合理的な姿勢のキープを、速攻でみにつけてほしい人と言えるんですね。
また別な見方でいえば、合理的な脊椎に負担がかからない姿勢を身につければ、
このタイプの方が整体院にくる必要は、ほぼ消え失せます。
もし体が凝りがあっても自力でそこも溶かしていくでしょう。
それがいちばん、きれいな組織の再建につながると思います。 ^-^
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