2021年02月19日

筋膜の癒着をリリースするときは、末梢神経も視野に入れて

筋膜リリースとはいうものの、、、。

体内では筋肉が層をなして折り重なるように位置しているものが多い。
そして隣り合った筋肉が機械的な衝撃を受けたり恒常的な使い過ぎでリセット休憩がなければ、
筋肉をウインナーソーセージの皮のように巻き付いている筋膜が単独で委縮したり、
となり同士の筋の筋膜が癒着してくっついたままになってしまったり。
そうなると筋肉が張ったり、炎症痛を感じたり。

癒着の軽度ならば寝れば自然にリセットされます。
だから考えすぎるより休む方がいい。

ですが長年にわたり不調があって慢性化した状態が悪化したり、
神経系にまで響くような衝撃が傷害により与えられたりすると。

単にその筋肉が機能が停滞するのみではなく、
その筋肉が関節をずらして可動域を悪化させたり骨組みをずらしてしまう。
すると姿勢筋にかかわる筋肉が癒着すれば姿勢バランスが取れなくなり、
動作するための筋肉が癒着が進めば動きのバランスが取れなくなってしまう。

それだけでもなくて、筋肉の硬化が引き起こした脊椎のずれから脊髄神経の出入り口の神経根を圧迫したり、
末梢神経が動揺するような緊張を強いられるような状態を作られたりもします。

筋肉同士が筋膜を通して癒着するように、
その筋膜は血管やリンパ管、神経、骨膜、内臓などとも筋膜同士の癒着同様に癒着するのです。


私が筋膜リリースをしているとき。
お客様には筋膜同士の癒着をリリースしているようにみえていたとしても、
実際は内臓部の癒着を診ていた、末梢神経系への癒着をほどいていたなどなど。




たとえば内臓が他の組織と癒着をするようであれば、
重篤な状態でなければオステオパシーの手技テクニックのひとつ【内臓マニュピレーション】。



フランス人のオステオパシー系の巨人ともいわれるジャン=ピエール・バラル先生の著した本があります。

そして筋膜の異常が生じている周囲やその内側に含まれるところなどに
神経系の問題が引き起こされることもあります。
そちらは【末梢神経マニュピレーション】という上述のバラル先生が著した本があります。


内臓系は直接的に内臓の形状や位置、そして機能制限されたものを動きを誇張させるなど。
簡単な手技ではありませんが、私には直感的にわかりやすいです。

ただ末梢神経系は、私には部分的に神経の管を触れて状態を診やすいところもありますが、
難敵といえるでしょう。
神経の管と血管では、脈動があるかどうかで違いを感じられます。
でもかなりしっかり深部層まで筋膜の癒着を緩めなければ末梢神経の状態が追えないです。
私だけが、そうなのか???

と悩んだ末に、友人の施術をする先生に聞くと、
「神経ってあんまり筋肉と関係ないんじゃない?」
と危機的状況を感じられる返答が。 ^-^;

お〜〜いっ。

神経系が問題ありのままだと、苦労して筋肉同士の癒着を解いても戻りやすいようです。

末梢神経が引き連れることで、さまざまな神経筋骨格障害といった障害がでているわけなので。
できるだけ神経の怖い異常もみていくようにしたい。
末梢神経の障害パターンについては【末梢神経マニュピレーション】の本(42ページ)に書かれております。
私はこちらの本を手にする前までは、神経組織周囲の組織にしか認識できておりませんでした。
これにより血管に影響を与えて血行異常から、筋やその他の組織への問題を引き起こすということです。
本書を見て、他に「軸索」や「ミエリン鞘」のような問題もあると。
専門的過ぎるためこの場では軸索等の解説はいたしませんが、
「えっ、そうだったんだ」と理解が進むのは確かでしょう。

ただお客様に神経系についてのご質問をいただいたときは、
神経組織周囲の組織について解説するようにしています。
それは私が自身で神経の障害を直感的な理解をしたのと同様なところまでは、容易に理解できるでしょう。

末梢神経の異常が血管に影響を与え、血行の異常が末梢神経の異常をつくるときも。
まさに気血一致で、血の流れと気の流れは一致しており、気の流れと神経の電気的エネルギーのありようが関係していそう。
そのような気にさせていただけます。


ただカラダの内側で深い部分の動脈管はその上にある筋がゆるゆるになってくれてないと触れないように、
体表付近に位置していない神経も、そういうものなのです。
深々とした位置に在する神経がよれていたり、ぎゅっーーっと強いけん引されたままであったりした状態。
そのような神経の上の鉄の壁のようになった部分はどのように解けばいいのか。

【末梢神経マニュピレーション】や【クリニカル ニューロダイナミクス】など参考にする本がありますから、
そちらを読み込むことで適応できる手技を選択できることもあります。
(※ 個人的に【クリニカル ニューロダイナミクス】は、何度か読んでみてはいるものの、
   私には自分がその手技を使えているイメージが思い描けずにいます。
   手技の実演写真点数も多く、いい本だと思うのですが、
   カラダの内部にある神経がこちらの本を読みイメージしようとしても触れられてない感じで。
   私の読解力のなさもあって残念です。
   なので私が使う末梢神経系のアプローチは【末梢神経マニュピレーション】になります)


ちなみに私が自身の左側の手や足等の脈が弱化するという部分を解放する手技を徹底したとき。
「深部の神経を触れてわかるようにまで解く」という基準がありました。

末梢神経マニュピレーションで紹介されている手技は、
施術者がお客様に施すリリース法が紹介されており、
セルフリリース法はございません。

なので部分的にゼロプロマッサーで対処を選択しました。
ゼロプロマッサーで神経に狂いが生じている部分を緩めたものですから、
「うぎゃっ」と小声をだすようなことになりましたが。
どうにかやり抜いて神経の短縮して蛇腹化したり、
引き延ばされたストローのようなところを手直しすることが、
自ら片手で触りアプローチできるまで。
ゼロプロマッサーをフル活用しました。

ちなみにゼロプロマッサーには、多数、ヘッド部分がゴムでできており、
そのヘッドがオプションで販売されています。
私は5種類のヘッドを購入しております。
オプションのヘッドを複数買っていたため、
最適なヘッド選択ができてよかったですよ〜。


このパワフルリリースができるツールがなければ、
内側上腕皮神経の修正が思うようにできなかった。

最近、ぜんぜん施術ではゼロプロマッサーは使っていなかったのですが、
自分の左手側の脈圧弱化のリリースに、これほど役立ってくれるとは!

最高です! ^-^




私の左手側の脈圧弱化の要因をつくった筋膜の癒着のような深刻な進行がある個所では、
多くが末梢神経障害もあるとみて神経の緊張したり吊られた状態を含めて解くように。

そこまでの詳細な視野の深化や広がりをもって観ようとすると、
施術の専門書でなければ有益な情報が記しておりません。


カラダ的に不具合が根深いケースでは、その深い視野があって対応できることもあるので。

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posted by スズキ at 15:50| Comment(0) | 施術研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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