その際、首、肩、鎖骨に違和感が強いということです。
深層筋が硬い部位が多くなっておられる方の場合には、
痛覚神経の作動がうまくいっておりません。
本人が痛みを感じておられる別の場所に、
根深い主たる原因となる部位があります。
それが点在している量が多くあります。
それらの原因部位が緩められていくと、
徐々に正常な痛覚を取り戻せるように。
組織が傷ついて、その再建のため大量の血液が必要となった時、
痛みを出す発痛物質を状態の悪さに比例して出すわけですが。
その部位の血行不良の度合いが多すぎると、
神経を作動させるほどの酸素がありません。
そうなると麻痺した状態が進んでいきます。
深層部までしこりを作られると、動脈管を圧迫してしまうため、
そのような状態に陥る方が多くおられます。
そうなるとお客様が解いてほしいとおっしゃられるまったく別の場所を探り、
動脈管を圧迫して血流をさえぎるしこりをぬいていくことになります。
ただ、、、なかなかこの作業には長年の経験が必要となりますから。
セルフリリースを、いくらがんばってやっても成果がでてくれない、
そのような悩みをもつ方は、この状態に陥っていることがあります。
そうなると、施術をする先生方に見ていただいて、
自分では気づかなかった問題部分のケアをしたほうがいいときもでてきます。
幸いにしてこちらのお客様は体の筋肉的には柔軟な部位が多くを占めます。
深層筋が全身の血行を悪化させてマヒを進ませるタイプではありません。
そういうときは、本人がおっしゃられている通りの部位には、
ほぼそのような不快感を訴えさせるような問題があります。
自分でもつらくなった部分をどうにかしようと挑戦したと思いますが、
セルフリリースでは限界がでてくるほどの硬さになってしまったとき。
顔なじみの施術者がいると、安心できるところもあるでしょう。

実際に見てみました。
右肩の奥にまで硬化が進んでいます。
それは握りこぶし大に近しいサイズ。
硬化度も石まではいきませんが、
多少硬めの木と同様の硬度です。
深部層にまでしこりが入り込み、
骨の周りに巻いてある骨膜にまで癒着が進んでます。
確かにこれはつらさを感じるはず。
対して左側の肩はさほど問題はありません。
左右が別人状態といわれる状態になります。
左右の肩の間に挟まる上部胸椎と下部頚椎。
ここは想像以上の詰まり方で急激な前後湾。
それもあって胸椎が微妙な曲がりを示しています。
ツボでいう大椎穴にあります。
大椎とは、左右の腕の伸びるまんなかにあたり、
体を流れる衛気を充実させるためには大事な個所です。
風邪をひいたりしたらこの部分にお灸をすえたりしますよね。
そうやって免疫力をアップさせたりするのです。
この部分のつまりは、
たいそうなものです!
極度なつらいストレスを「背負った」とき、
この部分がよくかたまるんですよね。。。
まるで背負子でも担いで首を短くするような状態です。
自律神経系の状態は、このレベルでは乱れがちになりますから注意が必要です。
ただ、ちょっと今回は私も驚いたような固まり方だったので。
「リリースを一回でできるものだろうか?!」
通常は短期間に繰り返し通院してもらって何回にもわけて解くレベルでしょう。
でも頚椎周囲は危険が高い部位だから、椎体や棘突起への強い刺激は避けたい部位です。
手で圧してもんでみたりしても、
肘で加圧して解いても複雑に入り込んだ部分で解きづらいのです。
そしてこれだけ硬ければ打たれもろくなっています。
強い刺激を受ければすぐにダメージを受けてしまう。
それに圧せられたときに炎症が進んでいるため痛みが強烈ですから、
麻酔でも打たれていなければ解けません。解かせていただけません。
それがベン石温熱器の利用したり、
加熱したベン石のスティック等々でポイントを見定めて解くならば、
解けていったのです!
お客様いわく
「以前よりこれは施術が進化したということだね。楽に解けるようになったというんだから」
ということばに、
その部位を極力痛みやダメージがないよう丁寧かつ大胆に解くときに、
この部位と周囲だけで1時間10分かかっているのです。
悪戦苦闘の頭脳戦でした。
無茶をすればひどいことになるので、楽に、簡単にとけたわけではないわけです。
以前の私のやり方では、
誇張なしに感じたのは、
どれほど時間をかけて工夫したとしても、
今回リリースした深さの1/3ほどであったと思う。
もちろん、以前のやり方も相当に考えて考えぬいて作り出したものでしたが。
今のやり方に気づいたら、凝りのリリース成果だけでなく安全性は増してお客様の痛み負担感は減りました。
それ以上は手も足も出なかったでしょう。
それはしこりが肩の奥に、椎骨のすぐ脇の裏に根付いて一体化していたため、
複雑に幾層もの筋肉が絡み合って、それらの層を一層ずつはがすようにする。
それに首の側面部分や胸郭前上部を十分に解いて緩めておくよう下準備を徹底しなければ手も足も出せなかったのです。
ちなみにお客様が私が首周囲を解くときに痛がっていたのは、
私が深層のしこりの凝りの質をチェックするときに「むにゅ」とつまむときだったと思います。
ベン石温熱器等の応用系の解き方で、ドンドンッという刺激は体の芯にくるのですが、
これは深部の痛覚神経が少ない部位のリリースですから案外と痛みは耐えられるのです。
ですが少しずつリリースを深めて新たな状態へと突き進み変化する状況を把握するチェックのときに、
少しだけしっかりと押してその場の組織のコンディションを読まないといけないのです。
そうしないであてずっぽうに解けるような画一的な作業で済むものではありません。
そのチェックのときの痛み以外は、以前に私が慎重に真鍮製スティックなどで解いていた時よりも、
大幅に痛みの不快感が軽減されているでしょう。
たとえ痛みが出たなとなったとしても、
それは以前の私の解き方の3倍も奥へとリリースの手が及んだことで、
骨の周りの骨膜部分という最も奥まった部分にまで刺激が行き届くようになったためですから。
そのつらかった肩の血行不良を改善する成果の差がとても大きいものです。
今以上に研究が進めば、私にとって、
この深層へとスムースに手が入るようにリリースできる能力は、
狙っている部分へのアプローチへの強力な武器になります。
育てていきたいと切に願い研究しているところです。
ただお客様に気を付けていただきたいのは、
硬さが強くなってしまった状態を、
施術等の他力で緩められたとき。
※ いきなりその柔軟性を増した場所に負担を強いるような動きや姿勢は避けてくださいね。
再三、口にしているので耳にタコができるようでしょうが、
私の考えでは、
体の動きのスキルアップが必要とされされるときには、
自分の体を硬くした要因を明白にすることができているか?
近年まで柔軟な体の状態を乗りこなしていた人であればよいが、
慢性的な負担感を感じ続けている方のときには、
柔軟度が増した状態を維持していく体の使いように理解を深めているか?
その点の理解が必要になってくるでしょう。
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