今まで以上にお客様の状態を分析的に中医学の診断技術に照らし合わせて観ていくということは、
情報収集の点で大きな飛躍となります。
ただ、課題がそこにはありました。
鍼灸師または薬剤師の免許を持つ漢方医であれば、
そのまま診断から得られた弁証通りに対処する法のやり方が指示されています。
ですが私の得意としている筋膜リリースでは、どうすればいいのか?
そこについては当然ながら、中医学の古典から指示があるものでもなく、
診断が私の持ち手の技術による対処というように直結できない点をもどかしく感じていました。
そこをどうにかしないと先に進んでも路頭に迷うのは必至で、
渋谷のジュンク堂の中医学の書籍が置いてあるところで探していたのです。
そこで見つけ購入したのが、次の本でした。
東洋医学概論の解説書 図説・霊枢 現代語訳(鍼経)
(※こちらは専門書ですから、一般の方におすすめする本ではありません)
本書に経脈篇、経別篇、経筋篇では、
私が今まで見たことがあるイラストが掲載されていました。
「やはり私のワークでは、経筋、ここに帰っていくしかないのか」と思って眺めていました。
ですが経脈篇のイラストをよくみると。
私が中医学には精通していないためか、
見たことがないほどわかりやすく詳細に経脈の流れが把握しやすいのです。
驚きました。
それぞれの経絡ごとに違いはありますが、
凡例 として 「経脈、絡脈、経穴、絡穴、交会穴、属する臓腑、絡まる臓腑、経脈の走行」など、
ぱっと見た瞬間に体内を通す流れを持って様子が要点を得て伺えてしまうのです。
もちろんそれは経絡図などを見たことがないという人には「?」というものです。
ただ腰が痛いのになんで、こんなところを解かれないといけないの?というのも、
この図をみて解説されればすっきりわかるでしょう。
それに線が臓器と交わる様子もひと目でわかります。
私は頭の中がこの経脈図のイメージにより、すっきりしました。
その像を膨らませて、私の施術へ活かせるヒントを得られればと期待しています。
本書の現代語訳してある読みやすい霊枢では、
人体について病理上の知識を多く学ぶことができます。
個人的な見解ですが深層筋を解くボディワーカーの必携の書ともいえそうですね。
そのような感触を持つことができました。
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