生命維持に関わる機関の保護を胸部の肋骨は担っています。
どのような臓器があるでしょうか?

心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓(胃も)など。
中医学の心得がある方はお察しいただけると思いますが、
五臓六腑の5つの臓器すべてが肋骨による保護対象です。
五臓六腑の五臓(心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓)は、
心臓や肺機能が止まったら、まず即効で死にますし、
肝臓は血を化学反応で解毒をしたり、
腎臓は老廃物を排泄して血を濾す。
脾臓は免疫系にも関わり、やはり相当重要臓器。
そういったものですから、
肋骨のたまご型が綺麗に整えられているかどうかが、
その内側にある臓器の理想的な機能ができる環境か、
または窮屈だったりねじれていたり動けずだったり。
この部位を調べて対処することは、
生命活動の質の向上成果を生み出します。
胸郭全体の形状、肋骨や胸骨、
胸椎の可動、肋間筋や横隔膜の柔軟性、
横隔膜や胸隔膜の動きや癒着具合などの様子、
各種臓器の位置と圧迫具合などなど。
また心臓の上にちょこんと座する胸腺が動いているかどうかは、
胸骨の運動具合でも推測がつくだろう。免疫に多大な影響を及ぼしますから大切です。
それらを意図的に正確に調べていくこと。
ただ胸部分のアプローチは、鎖骨や肋骨の骨折のしやすさに加え、
肋骨の下に位置する臓器が大事な心臓だったり胸腺だったり肺だったり。
アプローチをするにも安全を考えて細心の注意を払えば、
リリースする手技をオステオパシーの誇張法にしようか、
またはカウンターストレインで解けるところまで解くか。
とても施術での骨折事故の起きやすい筆頭ですから注意。
呼吸器系の原因でアレルギーを持たれていましたり、
脊椎の側湾のコブ値が大きい方々は、
肋間筋が相当な個性的な状態にもなっていますから。
胸郭部の変形が多くの場合観察されますので緩める。
骨盤が少し前に流行りましたし、
そちらのほうも大変に重要です。
ですが胸部の肋骨のアンバランスがあるかぎり、
腕の使い方の癖は消えない強力な縛りがある。
骨盤をいくらリリースしてゆるめても、
胸郭の前後左右上下の緻密で美しいたまご型を
設定することができていない限りは骨盤は歪む。
骨盤の歪みグセも個性があるのですが、
私には肋骨の歪みパターンにこそ
実に多くの感情面や性格までも規定するような
つよい影響の源があるように経験しております。
それに私を含め、ほとんどの人が胸部の歪みがあります。
私は大丈夫だろう、と思っていた健康な人のほぼ9割以上が、
私がチェックをしたら知らぬ間になんてこった!ということになっている。
現代社会ではパソコンのような机にかじりついてデスクワークをするなどしていますよね。
それだけでも数時間行なうだけで、首の傾斜がどちらかに倒れていくので、
そこからも胸郭は大きな歪みを創りだしてしまうものですから。
胸部を歪める動作が、気づかないうちに私達の日常生活に入り込んでいるのです。
それで気づかぬうちにたいていの人は、胸郭の歪みができあがっている。
胸腺が萎縮するような上部肋骨の詰まりと胸骨柄の位置の以上などで影響も出てしまうし。
そのようなことによりさまざまな症状を引き起こすきっかけづくりにもなると言われます。
ということは胸部を理想型に移行できれば。。。
生命維持活動がしやすくなるようなバージョンアップをしたようなものですね。
私も、少しでもよりそのような高みへと登れるように施術研究に努めています。
胸郭リリースの難しさを少しは知るにつれ、その意識が深まると、
私は胸郭を本気でリリースできる稀有な先生は、尊敬いたします。
エクササイズをするようなときは
胸が生命を維持しているという意識で、
胸部肋骨の操作等を学ぶようにするとやりがいが出てきますよね。
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