2025年01月21日

体幹操作には筋肉の末端となる舌の操作もなさるが、肝要。そうした思いがいたしました。

先日、たまたまテレビを観ていたとき、
ドラマ『弱虫ペダルSeason2』(BSスカパー!)の撮影中による自転車事故で脊髄損傷を負った滝川 英治氏のことを知りました。
滝川クリステル氏のいとこにあたる方のようです。
端正な顔立ちが印象的な俳優だった方です。

脊髄損傷を負って病院でのリハビリを終え、
ヘルパーサービスを一部利用した一人暮らし。
(ボッチャの大きなりんごの木)という絵本作家でもあり、
在宅で芸能会社のお仕事もなさっているとのことでした。

そのような滝川氏が絵筆を口にくわえ、
タブレットに絵を描き出すシーンが写ったとき。
相当な集中力を必要とする作業で疲労から顔がゆがむ。
重い頭部を支える首を動かしたり固定させる筋肉や、
同時に絵筆を口でくわえるときの咬筋や側頭筋などの咀嚼筋も酷使されていることでしょう。

滝川氏の『感謝』と書かれた毛筆文字には、
力強い筆使いのあとが見ることができます。

滝川氏の作品制作過程を観ていると、
体幹を巧みに使っておられることに
個人の見解ですが衝撃を受けました。


自身の振る舞える可能性を最大限に研ぎ澄まし、
生長をさせる姿勢にも感銘を受けます。

私も所作で体幹の操作を心がけてますが、
日頃から、利き手、利き足に引きづられ、
いかに体幹操作がなおざりにしてきたか!
そう実感して猛反省。

体幹操作は、どういうものであったのか。
一からやり直す気持ちで再検証していこうと考えています。


また先だってバー・アスティエを習っておられるお客様に、
体幹操作上のコツとして『舌を意識的に使うこと』の大切さについてお伝えいたしました。
中医学では、舌を診て体調を知る舌診という診断法があります。
舌の苔や、色や、乾湿や、ひび割れ方や、形状がむくんでいるか萎えてないか。。。
そうしたことをチェックしていくことでどのような体質であるかを分析いたします。
私の知る食養生を教える大手のスクールでは、ほぼ舌診メインで体調を診るというほど、
多くの貴重な情報が舌には現れるようになっています。
それゆえに日頃から舌の筋肉のコンディションを整えるのが肝要です。
舌の筋肉は多層構造化したミルフィーユ状となり、
その上下左右前後にある舌の筋肉のパーツを緊張や弛緩させることで、
自在運動を叶えられるようになっています。
そして舌は筋肉の末端とされ、筋肉全体を統括するようなポジションともなっています。

たとえば、
舌の全体をぎゅっと痛いほど収縮させて前屈すれば、
日頃より前屈の倒れる量は減るでしょうし、
舌の全体を喉の奥の舌根部分を含めてゆるゆるに緩めながーくして前屈すれば、
日頃より前屈で倒れる量は増すようになっています。


そうだった、そうだった。
体幹操作には、コアの筋肉操作のみではなく、
不二家のぺこちゃんしかり、
舌をお得に匠な操作あってこそ全身の筋肉が統合されやすかったんだった。。。

そのようなことを思い出し、
奇っ怪に受け取られそうですが、大腰筋などのコアの操作をするときには、
舌を意図的に動きに参画させていきましょう。
舌を舌先、舌根、舌の左右真ん中とパーツごとに分解操作が必要で、
舌のパーツを緩めたり、縮めたり、動く先の方向に向けて動きを導いてみたり。


滝川氏の口で絵筆を加えて描いた毛筆文字には、
頭部の動きと同時に舌先をも使われ匠に書かれているのではと感じられまして。
すばらしい姿を見せていただき、感動いたしました。



以下、私がみたテレビ映像ではございませんが、
2年ほど前の滝川氏の映像がありましたのでエンベッドさせていただきました。



posted by スズキ at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 体の使い方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

体の使い方自体には正解や不正解はない。TPOに沿ったバリエーションを増やす意識が正解だと考えます

ビジネスコーチングやライフコーチングをするとき。
大きな会場で集合研修でおこなわれる指導は、
現状での改善点がどことどことどこにあって、
だったらそれを改めてくださいと机上の空論、
画一的な価値観を押し付けることになります。

ですが取り組むべき課題の事情は、誰もが異なります。
どれひとつとして同じではないため、画一的な指導では帯に短したすきに長し。
どうもしっくりこなくて、研修で得た知識が活かされることがないのです。

こちらの事情も感情も考えもわからないコーチに【現状を変えなさい】と言われても、
すんなり「そうですね。変えましょう」と言う人は稀でしょう。
いままで自身でも独力でがんばってきたことすべてが否定され、
無駄だと烙印を押されてしまう。
無駄は捨てるよう迫られた気分。

そんな嫌な気持ちになれば「やってられねぇ!!」と拒絶されるのは当たり前です。


だから、ちょっとおかしなことに聞こえるかもしれませんが、
【あなたは現状を絶対に変えてはなりません】というのです。
「えっ?変えなくていいんですか・・・」と虚を突かれ絶句。


変えるのではなく、現状のやり方で得た成果を評価して受け止めてほしいのです。
現状を変えて苦心して得た成果を手放しても、現状変更の進行の最中やそれが企画倒れになったとしたら。
そこには大混乱や、苦情の嵐が吹き荒れるでしょう。

そうなったらいままで得られていた成果さえ
手の指の間から砂のようにこぼれ落ちていく。
一旦狂い出した歯車は損失を生み出すのです。


だったら現状は現状は現状で大変によくやってきたと受け入れて、
そのうえ足らないものを調べて、
いままでのやり方に足す努力をするほうが安定した成果がでます。

足らないものがどういったものか共に探索し、
どうやってそれを足すのかを共に考えていく。
そうしたコーチングの考えがあるのです。



私が施術の場で、姿勢や歩き方をお伝えするときにも、
上述したような基本理念を活かしていこうと考えます。

だから、決して
それはだめですとか否定的な言葉を投げかけることはいたしません。


私がかつて身体操作上の指導を受けたときに、
こてんぱんにダメ出しとか可哀想なやつだと
槍玉に上がらされたことがありまして。

いやぁ〜、それこそ言われてることはわかるが、
こちらもこれが精いっぱい、
いっぱいいっぱい。
つらいのなんの。。。


そうした人格否定レベルのダメ出しを食らうという経験から、
それを反面教師として受け止めました。

それ以来、お客様に立ち方等のやり方をおつたえするときに、
「色々と姿勢や歩き方にはやり方があって当然で、どれが正解でもありません。
 ただ姿勢等のバリエーションを増やしていくことで、
 TPOで使い分けができるとうれしいでしょう」

洋服も冬服や夏服があり、礼服やアロハシャツがある。
靴も革靴もあればサンダルもあります。
オバケのQ太郎のようにお決まりのワンパターンじゃすまされません。
時と場所と機会により最適な衣類を選ぶのと同じように、
姿勢や歩き方にもバリエーションがあるのがふさわしい。
そのように考えられるのです。


それぞれの方々の個性的な立ち方や歩き方は、
その人の生きた証であって貴重な履歴書です。
生きてきた履歴書と言える所作に対し礼を失する言い草はできません。
もしも土足で部屋に踏み込むようなことをしたら、
長期に渡る精神的なトラウマとなることでしょう。
それではバリエーションを学び吸収する気にもならず、
成果をお客様と共有することもかなわなくなるのです。

「腰痛の原因になりづらい立ち姿勢はこういうものがあります」と、
私の知る範囲の姿勢をバリエーションとしてお伝えすることに限られます。
posted by スズキ at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 体の使い方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする