お正食養生から死生観までを語った本を読ませていただきました。
【からだをなおせるのは自分だけ
こころとからだを整える 伊豆ふるさと村 秋山先生の言葉】
山田 剛 (著), 草野 かおる (イラスト), 山西 茂 (監修)
出版社 : 東京ニュース通信社
です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜【以下Amazon掲載の出版社より】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
伊豆の山奥で仙人のように暮らし、自給自足で生活するふるさと村を主宰していた秋山龍三氏。肥満、不眠、アレルギー、糖尿病、ガンなど、さまざまな病気、不調に悩む人を、「食」で健康に導いてきた秋山氏の著書『「食事」を正せば、病気、不調知らずのからだになれる』は10万部を超えるベストセラーだ。
秋山氏の食養の考えに感銘を受けてふるさと村に移住した元ヴィレッジヴァンガード社員だった山田剛氏。秋山氏に師事し、ともに暮らし都会生活でだめになった自身の体を復活させることができた山田氏は、秋山氏が逝去した後もふるさと村の敷地に暮らし、秋山食養の実践と自給自足を目指し活動している。梅干しや味噌などの加工食品や野菜の購入を希望される数百人のふるさと村会員枠には、全国から見えない行列ができています。(会員数の倍以上が何年も入会待ちの状態)
そんな山田剛氏が「秋山龍三の言葉」を軸に、伊豆ふるさと村の食養生活やレシピを写真やイラストとともに紹介。
秋山先生が、自然や人生や教育・戦争体験などから発した深い数々の言葉と、それにまつわるエピソードとともに、より食養に理解を深めていける1冊です。
イラストは秋山氏の本に共著として名を連ねる草野かおる氏が担当。
例:秋山先生の言葉
「食べものが血液をつくり、血液がからだをつくる」「生きた食べものを食べる」「よく噛んで食べることは命を長らえる唯一の手段」「健康、長命の鍵は『少食・保温・安静』
「人間も動物であり、自然に生かされている存在」「食べものが工業食品になっている」「食品添加物だけではなく、肉・油・砂糖と縁を切るだけで驚くほど体調が変わる」「体温の低下に注意する」「親が子をダメにする」「ぬか床は酵素が充満した宝庫」「ドクダミ 昔から十薬として重宝されてきた薬草」など
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書かれている内容は食養生について書かれている内容は、
正直に言えば目新しさは感じませんでした。
少食にし昔ながら食べてきたものを食べる。
なおかつ生きた食べものをいただくこと。
生きた食べものとは、
つけものは乳酸菌等により発酵したもの。
ですから乳酸菌等が生きた食べものです。
それらはかつて読んだ他の本にもわかりやすく解かれていました。
ただ仙人のような書中の秋山先生の体験を通して語る言葉には、
私の胸に「どーん」と「しんみり」と残響が鳴り止みません。
ふるさと村の地域に住まう人々の昔ながらの暮らしと死に方を通し、
自然一体となった生き方を魅せられた気がする本です。
ちょっとのところ話がそれますが、
ボディワークを仕事とする私には、
「ゆるめる あたためる めぐらす」
という3つの大切な施術上の考えがあります。
硬化した組織をゆるめて動きの制限をはずし、
それにはあたためることを鍵として利用する。
そうしてあまねく体の隅々まで気を巡らせる。
そうした考えです。
ただ書中に語られる「健康、長命の鍵は『少食・保温・安静』
これもまた真理と思え大切にしたくなります。
なかでも気になったのが、「少食」の考え方です。
お正月三が日を食べちゃ寝て胃が疲れれば、
一昨日前が七草がゆ。
そうした特別なハレの日があってもいい。
それは本の中でもよしとして語られます。
でも食事で消化に係る器官を酷使することは、
食が死に近づけることとなるといわれまして。
たくさん食べると死が近寄ってくる。。。
秋山先生の声が力強くかしんみりかはわかりませんが、
そう語られた声の響きからは、ゾッとした凄みを感じるでしょう。
食養生の考えでは多くの先生が、
それぞれ別の説を詳しく述べるものです。
そうなると縁があった先生で納得できた方の説を採用することになります。
ですが昨今の食費高騰の拍車のかかり方からは、
少食推しには別の解釈もなりたちます。
少食に慣れて生きていける体づくりと、
それを支える食材選びと食事方法を学び実践すること。
食材高騰の波も、そこが確立できれば、多少は軽減できるでしょうか。
育ち盛りのお子さんがおられるご家庭は、それは難しいことでしょう。
とりあえず私のような一人暮らしなら、試してどうなるか。
健康面の前進後退、それに食費の上下など結果を知りたい。
書中では移動に電車や車を使う都会暮らしなら、
腹八分目どころか腹二〜三分目がよいといいます。
都会でもガテン系肉体労働者のような体を酷使する施術家もいて、
まずは当面は腹四分目くらいに大目に見てほしいと思うわけですが。
ちなみに本書の秋山先生が活躍された場所となる
(ふるさと村)のホームページをチェックしてみました。
すると会員制度なるものがあるようでした。
想像するに会員になったらふるさと村で採れた食材を
お分けいただける等のことなのでしょうか。
ただそれが現在、会員登録のキャンセル待ちさえも休止中となるような人気ぶりでした。
ホームページ:ふるさと村・自然食養学会
https://izu-furusatomura.jimdofree.com/
最後に。
都会の生き方にちょっと疲れ、
ホッとした昔ながらの日本人の暮らしに触れたい方は。
とても読みやすい本ですから、
本書を手にとっていただければと感じました。