2024年12月11日

下顎の後退により顎関節が不調なとき、顎二腹筋に問題がある場合も


お客様のなかには、顎関節の不調に悩まれている方もおられます。

■ 下顎骨の下制:口を開けること
それに関連する筋肉を述べれば、以下の通り。

〈アゴニスト(主動作筋);外側突筋(上 頭)、外側翼突筋(下頭)、オトガイ舌骨筋、観 舌骨筋、顎二腹筋
 協力筋;茎突舌骨筋、肩甲舌骨筋、胸骨舌骨 筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋〉です。

多くの筋肉が口を開けるために活躍しているんですね。


顎関節の異常は、さまざまな要因が考えられるでしょう。

例えば、
下顎の片方の顎ばかりを使う噛み方から。
下顎が上顎と比してサイズが小さいという先天的要因から。
他には仙腸関節等の他の全身の関節に影響を配る要所の異常から来ている場合もあります。
それは重心のズレをもって脊椎に前後左右上下への異常をきたすことなども由来すると考えられます。

そのような場合でも、上述した口を開けるための筋肉群に異常を持っているならば、
そうした緊張が抜けなくなるほど硬化した筋肉を緩めることで、
口を開けるときの不快感を軽減させることができます。
ただし全身のアンバランスを顎関節をずらすことで補正しているときには、
こうした手技は一時的な改善にとどまるものです。
ですが口を開けるときの不調を得た咄嗟の場合には、
ひと心地ついてから全身調整を同時並行して改善するようにもしたいですよね。

私が下顎のトラブルでよく用いる対処法は、
外側翼突筋、顎二腹筋、咬筋の3つの筋肉です。

Screenshot_20241211-120155~2.png
(外側翼突筋、顎二腹筋、咬筋の3つの筋肉)

私が手技をする場合のやり方は、
オステオパシーやアプライドキネシオロジー、ボウエンテクニックなど、
様々な手技療法のいいとこ取りで構成しているものを施術中におこなっています。

最近、下顎のサイズが小さいというお客様が3名様おられ、
日々のケア(正確には改善してきたら2〜3日置きなどのケアになります)を
お客様自身でもおこなえるセルフケアをなさることで少しでも前進できればと願い、
やり方をお伝えしておりました。
外側翼突筋と咬筋のアプローチは、正確にそれら筋肉の状態がモニターできないと、
かえって顎関節上の不調を招く恐れがあるため
ボウエンテクニックの顎二腹筋あたりのリリース法をおつたえすることとしました。
顎二腹筋のリリース法をボウエンテクニックのやり方をちょっとアレンジして。



他のやり方を、今しがた思いつきトライしてみました。
砭石サイズが10センチ長の砭石温熱器を2個用意します。
(お詫び:一般的にはこの機材を用意することは難しいため、
 砭石温熱器をお持ちで施術を先生方のためのやり方となります)
左右の顎関節を各々の砭石温熱器で外側翼突筋と咬筋を含めるようにして挟み込むようにし、5分間キープ。
温度はぬるくなく極端な熱すぎはしないほどの温熱で加熱。
この場所に砭石温熱器を置くときただ上に置くのではなく、
一旦、耳の耳珠に砭石温熱器を軽く当たるように設置して、
それからゆっくり前方の咬筋へと皮膚をたぐるずり圧をかけると、尚良し!!

咬筋と外側翼突筋を手技でリリースするときには痛みがでるのですが、
この砭石温熱器を使ったアプローチでは、
そうした痛みがなく、笑っちゃうほど患部の筋肉群が緩みました。
そしてボウエンテクニックライクな手技でアプローチしたときよりも、
患部の柔軟性がいい状態が長かったことにおどろきました。
あらためて砭石がフェイシャルトリートメントに効力を発揮することを実感します。
posted by スズキ at 12:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

砭石温熱器によるマイナスの圧を活かした筋膜リリース、これがボディワイズでの筋膜リリースが進む秘訣です!


筋膜の癒着部分をリリースするには、
(凝りのある筋肉に、直接圧によるマッサージを加える)
というやり方が一般的でしょうか。
患部の癒着部を剥がす際に、骨に押し付けるような圧を(プラスの圧)と呼べば、
骨から引き離す方向へ圧を加える方法を(マイナスの圧)と呼ぶことができます。

マイナスの圧は、凝り部分を骨から遠位へと持ち上げる操作ともいえますが、
深層筋を効率よくリリースが可能な手技方法です。
マイナスの圧を仕掛けると、プラスの圧では患部の炎症を強めてしまいリリースが不可能な部分に対し不快さが大きく減らされた形で対処できます。
巧みにマイナスとプラスの圧を使い分けることで、リリースの幅が飛躍します。
ただハンドマッサージで手指で患部をつまむようなマイナスの圧は、指先の尖度の高い骨の使用により(点で患部をつねる)ことになります。
するとかえって痛みを助長させることとなることがあります。
ですから患部を含めたエリアを骨から遠位に引き離すとき、
(面で患部を挟み込み持ち上げる)のです。

そうした(面で患部を挟み込み持ち上げる)とき、
両手の手のひらの掌部分で挟み込み持ち上げることもできます。
ですがこの部分で持ち上げようとすると、力がどうしても入りづらくなるネックと、力の操作が単調になることでリリースの深さがしょぼくなるネックがあります。
つまり両手の指と指を、西洋のお祈りをするときのような組み方をすると、
手首が固定され自由な幅あるアクションがしづらくなって力が全く出し切れなくなるのです。

なのでマイナスの圧を使うときに、表層筋に対してならばカッピングを使うこともありますが、深層筋に対し効率よくアプローチするときには砭石温熱器を使うことがあります。
砭石温熱器で、固定点を作り出しててこを用いてリリースを図ると、
骨の骨膜に癒着が進んだ患部に対しエフェクティブな非常に高い効果を発揮できます。
砭石以外のホットストーンでつかみ取るようにマイナスの圧を使うよりも、砭石温熱器でなしたほうがアプローチされても痛みが半減するのです。
そうなる秘密には、
砭石を温めたときに発する人体に特別な作用を配る遠赤外線の作用があり、
砭石がこすれたときに発する超音波が炎症ある皮膚に浸潤して炎症する神経の興奮を低減する作用がある。
他にも砭石温熱器には、小ぶりなものや大きなものなど患部に合わせてサイズを変化させてマッチングさせることが可能ですし、
しっかりとした持ち手があるため握りやすくて力が容易に発揮させることができるのです。

ひとつ施術者サイドのネックと言えば、
高度な患部のエリアの特定やその病位の読みが必要です。
それを読み込むことで単純に上に引っ張り上げるだけでは剥がれない凝りが、
スルスルッとペリペリッとサクサクッと剥がれて気血がそこへどっと流れ込むようにする計算されたマイナスの圧のアクションを加えることができるのです。
ただこれがかなうためには体重を使って圧をかけられるプラスの圧よりもマイナスの圧を使うには、引き上げる圧という不安定性が高いアプローチを施術者が自らの体幹を極度に巧みな操作をすることでかなえることができるものです。
単純に私の感覚ではプラスの圧よりマイナスの圧のほうが、
施術者にかかる負担は5倍以上に膨れ上がるのです。
極度な集中力と体力を消耗する手技となりますから、
要所のここはマイナスの圧でいくべきという箇所を慎重に選んでもちいます。


こうしてプラスの圧とマイナスの圧が、適材適所に適用されることで、
通常のマッサージとは違う成果を叩き出せるよう緻密な設計を施しています。



ただし胸鎖乳突筋を親指と人差し指で挟んで引っ張り上げてクリッとするボウエンテクニックの手技用法をお客様にお教えすることはあります。
ご自宅で自身で胸鎖乳突筋の凝りをリリースしていただくように、
これはマイナスの圧がハンドマッサージ的な手技でなされることで、
痛みがでてしまうという一例です。
胸鎖乳突筋を指で挟んで少し引っ張り上げてくりっという刺激を加えるとき。
(ウォッ!!)というびっくりしたような痛みがでることもあります。
指先で挟むという尖度の高いはさみ方をしているため起きる反応です。
これも砭石温熱器でおこなえばさらに効果的なリリースができますし、
クリッとしたときにでる痛みも少なくなります。
ですから私が自分でこの操作をするときには砭石温熱器を使います。
ですが砭石温熱器自体、高価で手に入りづらいものですから、
このやり方をお伝えされたお客様がやる場合には、
(ウォッ!!)というびっくりしたような痛みを感じつつ繰り返してアプローチしていただくことで、
患部の凝りがほどけてやがて痛みなく解く必要も消えるでしょう。
posted by スズキ at 03:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする