本日の施術にて。
3ヶ月ほど前、左側股関節を接合する靭帯部分にトラブルを起こし、後遺障害が観察できる方がおいでになられました。
そう考えられたのは、すでにお客様が患部のレントゲンなどを撮影されて股関節自体が詰まりが観られるものの問題は特にないようだという。
お客様本人も3ヶ月経過後となり状態は改善したとおっしゃっておられます。
ならば特段の問題があるわけじゃないだろうとスルーされそうです。
ただ障害を得た状況を正確に記憶なさっておられ、
障害したときにどのようなトラブルがおきたかを説明してくれたのが、ありがたかった。
状況から察するに、オステオパシーのとある流派でいわれている靭帯が歪曲する状態のトラブルを得て、
股関節を取り巻く接合靭帯が萎縮し続けていることが現状で継続していることがわかりました。
それにより患部側の脚の反対側に、通常ではそのお客様にはありえないコリが反対の脚にできてしまい、
骨盤や肩甲骨の同側が前方へと傾倒したトラブルを起こしていました。
目視で身体の右側脚部や腰背部全体が過緊張となり、左右の高さが微妙に骨盤の高さから違っています。
それにより首根っこの裏側がつらく、インドメタシン配合の軟膏剤を塗ることになりました。
このときのトラブルが筋肉部分に問題がおきただけであれば、
時間経過により自然治癒する可能性はあります。
ただ靭帯への歪曲は、いったん起きてしまうと、
そのまま固まってしまい治癒することができないことが多いのです。
どういったことかというと、
蛇腹になっているストローを思い出してもらうとわかりやすいのですが、
蛇腹になっているところを通常の伸ばし方で変形させるなら元通りになります。
では蛇腹を急激に捻りつつ伸ばすと、どうなるでしょうか。
蛇腹の軟部構造には本来的に受け付けないねじり力が与えられ、
蛇腹構造の規則正しい並びが破壊されて元通りに収まらなくなります。
それと同じことが股関節や肩関節等の接合靭帯に起こることがあるのです。
骨盤と大腿骨を接合する靭帯は正常なら規則正しい収縮ができるのですが、
それができないような状態に陥ります。
この靭帯上のトラブルは、
靭帯が軟部組織故にレントゲンに歪曲しているぞとか詳細は撮影されることはありません。
それは関節部分の関節の間隔が容易に視認できるほど短くなって映ります。
それが股関節周りの殿筋群などの骨格筋のコリで股関節が萎縮していると判断されることが多いのです。
ですが股関節を接合する靭帯が短くなっている場合には、
その靭帯の不連続的な歪曲は歪曲したまま固まるようなレベルのトラブルなら、
その靭帯を正常化させる特別な手技の仕方でケアをしなければ改善しないので注意が必要です。
またこうした股関節や肩関節などの大関節が曲がらないとか動かせないほどのトラブルを得たときは、
理想な1週間以内にみせていただければ身体の他の部分の歪みが定着する前なのでうれしいですし、
トラブルを得た靭帯も歪みが癒合する前ですから痛みはあるがきれいに仕上げて差し上げられます。
それは3週間が、こちらのお客様の体質を考えると、そこがギリギリのライン。
ですが3ヶ月間経過していたため、患部を動かさずにすむよう反対の足に過剰な負担を強いておられると、
すでに患部靭帯が歪曲状態のまま癒合しておられる状態に。
癒合すると痛みが軽減する経過時期がでるのですが、
その癒合が進行すると股関節の関節の間が縮み過ぎるようになります。
そのときに多大な痛みを股関節や腰痛、首の痛みといったところをともない感じることがあるようです。
なので靭帯上のトラブルを得たのかなと思えたような場合は、こちらのお客様の場合は、
1週間以内なら上々で、極力3週間以内に起こしいただければ、なにごとも負担もなくケアできたのでしょう。
3ヶ月間、股関節周りの靭帯の歪曲から骨盤と肩甲骨のズレが進行し固定されてしまっている状態のため、
こちらのお客様の体質上、急激な強めな変化をあたえると改善ではなくダメージに狂れてしまいます。
それゆえに、患部以外の遠位箇所で得た歪曲の歪みを補助するためのさまざまな筋骨格系の筋肉の状態の改善や骨格の位置ズレの修正を、まじめに長時間をかけて、慎重かつ綿密に計算をしてリリースをして整えまして。
この下ごしらえが済んだ後に、トラブルを得た股関節の靭帯の歪曲を正すための手技をおこないました。
施術前での診立てでは、一回のワークでは対処は無理と察することとなるほど肩甲骨や骨盤がズレていたため、
容易にはいかないだろうと事前に説明させていただきました。
ですが前回のお客様の骨盤部のリリースができた状態の柔らかさが残ってくれていたのがラッキーで、
かなりいい仕上がりになって納めることができました。
ケアのしかたは、オステオパシー系の特殊なやり方を知らなければできないでしょうし、
靭帯上に置きたトラブルではなく筋肉上のトラブルと誤認されることが多いはずです。
私もそちらの流派の書籍は数冊持っていて研究してます。
(そちらの流派名を書くと問題が起こりますので、ただ流派と書かせていただきます)
(ちなみにその流派とは〈靭帯性関節ストレイン〉ではありません。この場合の歪曲は靭帯性関節ストレインでは対処範囲を超えていますので。)
この場合の手技は難易度が高いため書籍からだけで学べるものではなく、
知人の先生にそちらの手ほどきをしていただくことがあって理解できました。
その流派の先生方は日本では稀有です。
もしも靭帯上のトラブルと考えていただけずに、骨格筋のみを緩めると長引くことがあるケースで注意が必要です。