2023年05月03日

『歯ぐきから出血!』・・・もしやそれって、肩甲下筋が原因じゃありませんか?

年齢が中年以降となれば徐々に歯茎が後退していくもの。
それは様々な要因で起こりえることです。

たとえば、
・歯周病の影響
・コラーゲン組織の生成能力が低下したため歯茎の再生がうまくいかない
・その他に『肩甲下筋の状態悪化』による内科的兆候による歯茎の状態悪化

歯周病があれば当然のこと、歯茎の劣化は免れません。
そしてコラーゲン組織の生成が、20代前半の青年期がピーク。
個人差はあるが25歳から徐々に減り始めます。
中高年になると骨密度低下、血管や皮膚等の軟部組織の再生力減少、
そして歯茎は血管に準じるほどコラーゲン組織により構成されており、
そのため歯茎が後退するという影響が現れやすくなります。

あとは一般的に知られてはおりませんが、
アプライドキネシオロジー(応用筋肉学)で知られていることとして
『肩甲下筋』という肩甲骨と肋骨の間に位置する筋肉に異常が生じたことで
歯茎からの出血が起きてしまう場合があるのです。


それは私のような上半身を前傾状態で施術をし続けるものには起きやすいものです。
それに長時間、肩甲骨が外転した位置にてデスクワークをし続ける方々にも、
肩甲下筋が他の筋組織等に癒着が進みコンディションが乱れることもあります。

この肩甲下筋の状態悪化による歯茎の後退から出血等が起きるとき、
歯ブラシで該当する歯茎や歯をブラッシングしてもよくなりません。。。
徐々に着々と状況が悪化してきますから注意が必要です。

それでは肩甲下筋を緩めたい!となったときどうすればよいか?
肩甲骨を肋骨から剥がすように持ち上げるというのも手ですが、
大円筋、僧帽筋、棘上筋、棘下筋等の肩甲骨に付着点を持つ筋群に
過緊張や癒着が観られるときは、それらを先行して緩める必要があります。
そうしないと肩甲下筋が緩んでも、
早々に肩甲骨が理想の定位置と言えないところに移動して固定され、
結果的に肩甲下筋の緊張状態が作られることになるからです。

ただ肩甲下筋は肋骨と肩甲骨の間に挟まれた筋肉。
それが原因でリリースが難しい筋肉の一つとされています。
物理的に肩甲下筋全体に直接圧をかけてコリや癒着をリリースできないため、
肩甲骨を肋骨から剥がす操作を丁寧にしていっても部分的に強い癒着進行した部位があれば、
そこが剥がれないため肩甲下筋の心臓に与える負担を軽減しづらいという状態が改善しづらい。
そうした課題のあるリリースに工夫が必須な部位であるといえるでしょう。

個人的には力づくで肩甲骨をゆすりながら持ち上げるという荒業を使うこともあります。
もちろんそれはすでに大円筋、僧帽筋、棘上筋、棘下筋等の肩甲骨に付着点を持つ筋群を
緩めたあとにしているのです。
そうせずに適当に肩甲骨を持ち上げようとなさる方もいますが、
ある程度の柔軟性がある方の場合はそれでもOKですが、
数ヶ月間、過度な肩甲骨を外転したままの状態で固めきった方や
多年に渡った肩甲骨の外転状態で固定した方の場合、
痛いばかりでちっとも動きませんし、そのときの痛みを無視してリリース操作をやりすぎても
トラウマをつくることになりあまり感心いたしません。

昨今、実験的に肩甲下筋の効率良いリリースをする工夫をしております。
肩甲骨の骨に対し、遠赤外線効果を持った輻射熱を放つホットストーンにより注熱を行います。
すると肩甲骨の骨に熱が蓄熱され、それが肩甲骨の表側から内側まで伝導していき
肩甲下筋が緩みやすくなるのではないか?という仮説をたてて内々で実証実験をしている最中。
それはどれぐらいの温度かつボリュームのホットストーンをどれくらいの時間にわたり
肩甲骨に密着させておけばよいだろうか。
それが一点と、
そうしたホットストーンによる肩甲骨越しに注熱して緩んだ肩甲下筋へ向けて、
肩甲骨の上に特別なボールで粘性あるずり圧をかけることで肩甲骨に動きを与えます。
このボール。
肩甲骨に対し広範囲に密着させることができるよう設定することで、
ボールの動きと肩甲骨の動きを一体化させる事ができるようにします。
そうすることで肩甲下筋を緩める手法を加えます。
肩甲骨越しにホットストーンで注熱する時間等は、
それぞれの患部の状態により設定が大きく変わり、
一般化した規定はできません。
ですが実験を繰り返し実証ができてくると、
単純に肩甲骨を持ち上げて剥がしても肩甲下筋の部分的に
リリースができていないところが見受けられる部分に対し、
チューンナップすることができるよう貴重な一歩が踏めているようです。
posted by スズキ at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする