2023年03月04日

手首、つまってませんかで?

合気柔術の攻め方のひとつに、
相手の手首を握るだけで全身の身動きをとれないようにすることができます。

なにをしているかというと、橈骨と尺骨の間にある骨間膜という膜組織に詰まりが生じるように、相手の橈骨と尺骨を近づけるよう工夫した持ち方をするんです。
手首をふつうに握っても、日々腕力トレーニングを余念のない相手なら瞬間で振り払われるでしょう。

でも、たとえば相手の橈骨を相手の肘のほうにこすり近寄らせるようにさせてから、相手の尺骨を相手の手首のほうにこすり近寄らせるようにさせます。
相手の橈骨や尺骨にこする操作を与えるときには相手の皮膚を覆う表層の筋膜層を数センチ移動させるだけでよいのです。
数十グラムほどの圧でこするだけなんですが、こんなに軽い力で相手が制せられるかというと、、、実は、そうなんです。
骨間膜が詰まらされると、それほど人は動きづらさを与えられ、正常な身動きがとれなくなります。


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手には肺経・大腸経・三焦経・心包経・心経・小腸経などの経絡線が通ります。
手首がそれらの経絡のすべてが通るほっそりとした通り道です。
手首にあるリストバンドのような支帯という組織がきつく閉じるようになってますから、
細い経絡の流れとなる渋滞しやすい道のようになっているところなんです。
だから相手のそこに軽微な外圧を与えるだけで相手を制することができるのです。
それをねらったんですね。

心経・小腸経は尺骨側、肺経・大腸経が橈骨側を通ります。
これらの4つの経絡が通るところの上に手を添えて、
どのようにこすり押したりこすり引いたりするかで技の効き方が変わってくるんです。
尺骨は心経をとり橈骨は肺経をとるとしたり、
この経絡の取り方を相手がしてきそうだと気取られれば、
瞬時に尺骨は小腸経をとり、橈骨は大腸経をとることに変更して相手の防御を出し抜きます。==

外的には相手の手の手首をさっと握るように見えるかもしれませんが、
握っているわけではなく、相手の手首を浮かし円の固定点となる支点を作り出してから尺骨側と橈骨側を回すようなイメージの軽微にこする操作をしているんです。
すると技を受けなれていない方は、手首を握られると思い、ぎゅっと握られたら払いのけようとして準備しているんですが、
握ってくれないから『こいつはなにをしたいんだ?!』と疑問に持って触られてたら、
術中にはめられて身動きがとれなくなってしまいます。



ただ私が合気の技を相手の手首に施す必要がないときもあります。
相手が回内筋、回外筋といわれる筋肉が過緊張のまま萎縮しているなら、
腕の力が正常に入ることはなくなっている非力な状態です。
同時に呼吸もしづらくなっている。
肺経がつぶれていて免疫上の乱れがでているため、
今の時期ならアレルギー性の花粉症とかになっていやすいですよね。
骨間膜がつぶれて詰まっていたら、不具合がでた経絡の通り道として関連する肩や首が凝るのです。
たとえば肩の背中側がコリコリになって不快感があれば、
三焦経と小腸経が通るところですから、そちらのどちらかか、または両方が不具合があるわけです。
肩の直上なら大腸経が問題ありで、肩の前なら肺経が問題あり。



私が施術中に腕を調整しているとき。
腕の腱鞘炎になるような部分の凝りもしっかりリリースするわけですが、
それ以上に回内筋や回外筋が緊張し続けて萎縮した状態を解くことを優先しています。

独自にセルフマッサージをしている方々には、
この骨間膜の詰まりによる不具合に気づいておられない方が大半のようです。
特にデスクワーク中心でパソコンでキーボードやマウスを使い続ける方々は、
そこをしっかりゆるめるようにしていただければとお勧めいたします。
回外や回内筋などのリリースは、自分で解いてもきびしい痛みが出るところですが、
十分にゆるめられた後は、肩や首のすっきり、呼吸の深さの違いを味わえるでしょう。





余談ですが、私の手が最近冷たくなっているのは、
心経・大腸経に緊張があることを示しております。
経絡上の常識ですから、わかっちゃいるんですが。。。
大判の木製かっさを多用しているとき、
尺骨側を引き手で操作して施術の時に安定する力をだすように操作しているため、
心経・大腸経に芯にくる引き連れが起きて容易には抜けないんです。

にっちもさっちもいかなくなったら、
遠赤外線効果のあるドーム型サウナ・スマーティに半日入ってゆるめるしかないのでしょう。
そうするまえに、心経などの引き連れの不具合が起きないような操作法を見つけたいと粘っているんですが。。。==;
posted by スズキ at 11:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする