2022年04月10日

しあわせな気分で発明されたものは、その発明品を販売するときに楽々。血のにじむ苦労で発明されたものは、その発明品は売るにも苦労する。それは施術技術の発明でも、同じことがいでるのでしょうか?

一昨日前のことですが、
千葉県佐倉にある佐倉城址公園というサクラの名所にでかけました。
https://www.city.sakura.lg.jp/0000000987.html?msclkid=eddbb407b88411ec8fe774d87fd18e6b

電車で2時間かかる移動ですが、そうしたくなる気持ちにさせてくれるところで、
毎年、この時期には足を運ぶようにしております。


佐倉駅を降りて〇〇美術館行きのバス乗り口があり人が20名程並んでいます。
7〜8分、坂を登ると佐倉市立美術館があり、そちらへ向かうバスだろうと思い、
佐倉城址公園とは遠くなかったためバスに乗せてもらうことに。

でも、気づけば送迎バスは30分、見知らぬ場へ走り続け、ついたのは。。。

川村美術館.png

DIC川村記念美術館 | Kawamura Memorial DIC Museum of Art
https://kawamura-museum.dic.co.jp/?msclkid=b20a73b1b88411ec82aa6ae66ea6a54d

DIC川村記念美術館(DICかわむらきねんびじゅつかん、英表記:Kawamura Memorial DIC Museum of Art)は、
千葉県佐倉市にある私立美術館である。
印刷インキ、顔料、ポリマー材などの製造・販売を行うDIC株式会社が運営を行っている。
DICと関連会社が収集した美術品を公開するために、DICの総合研究所敷地内に設立され、1990年5月2日に開館した。
以前の名称は川村記念美術館で、2011年4月1日から現在の名称となっている。


私は名前も聞いたことがなかった美術館で、
「あちゃぁ〜、やっちゃった ^-^;」
と後悔したもののせっかくだから美術館を拝観させてもらおうと。
コロナ禍でもあるため事前登録制となっているようでしたが、
当日受付ですんなり入れました。


一切、期待感なしに入った美術館でしたが、
上述した美術館ホームページにて紹介されている美術品は貴重な作品が多数。
レンブラントやピカソやモネのような私が知っている画家のコレクションは、
ケースに入れられているわけではなくすぐそばでみることができます。
他に観賞するものの感性が問われる迫力がありすぎなカラーの抽象画も多数。
美術館の建物、展示室が、各々がまるで美術品です。

45分作品解説を美術館の方がしていただけるコースにも参加させていただき、
見識が一層深まりました。



開放的で広々とした庭園。
は2羽の白鳥がくつろいでいます。
どこを写真を撮っても、絵になります。
川村美術館2.png

このときばかりは、
コロナ禍や世界情勢が頭から消えていました。
そうした自分を見てしあわせを感じていました。


私自身、出かける前に調べ上げる方です。
ですが、ときにはこういう旅もいいですね。



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発明品や新商品も、開発するときに血のにじむような苦心惨憺となれば、
それを市場に出すときに同様な苦労をするといわれています。

十分に準備をして知識や体験を積み重ね、
しあわせな気持ちでいたとき「ぱっとひらめいた!」という商品は、
すんなり苦労せず広まっていくといわれています。


私の施術のやり方を生み出すときは、たいていが血のにじむ苦心の末のものでした。
そうであれば施術技術を売り込もうとするときには、苦労しなければならなくなる。


川村美術館でのしあわせの余韻がつづくうちに、
新たな施術のテクニックを見つけたいと考えます。

棒状かっさグリップ付き.jpg


ちなみに、
棒状かっさを使った梃子を使った圧法。
それをいままでは重さを支える支点、物が力を加える作用点、人が力を加える力点。

いままでは私が力を加える力点を、手で握って加えてきたのですが、川村美術館からの帰りの電車にて。
ふと、手で握ってしまうと、私の現在の手の内の操作は力を半減させてないか?!と思いつきまして。

昨日、お客様の施術で、力点で力を加えるときに手で握らずに肘にひっかけたほうがシンプルにいいはず。。。

ふと、そんなことを思いつきました。


すると案の定、リリースの際のパワーは3〜4倍に、もろに上がってしまいました。 ^-^
これにより、すでに浅層、中層がじゅうぶんリリースが進んでおられるお客様では、
しっかりとした等速度運動をかけられるときは、痛みや不快感が激減する。

手で握って力点を動かすときにも等速度運動を心がけてはいますが、
手で握ればきれいに円弧を描く必要性が強制的に生まれてしまう。
すると加速運動の力が生じるて、ひっかかりや痛みや負担がかかる。
ちょっとした差のように思えるが、これは秘中の操作法としてあり、
プロとアマの差を決定づける要素ともいえるようなもの。

それが前腕を意識して操作する動きを捨てて肘の操作に集中をして操作を繰り返しました。

それでいつも以上、余裕をもって深層への圧がスムースに届くようになっていました。
それも棘突起のすぐわきという、力が強力にかけられていて、作用点がわずか3mmずれたら骨折の恐れがあるもので、
手でかっさを握り圧をかければそれくらいのぶれがでるので力を抜いて芯に対しての影響を落とさなければならなくなります。
それは肩関節、肘関節、手首関節の3関節がつらなってしまう多関節にて動きをあたえれば、ぶれをおこさないようあやつるのは至難の業。
一流の武芸者でもなければできないと思います。

それが肘で力点を操作したら肩関節という単関節により力をあたえたほうが、シンプルに力をあたえられる。
すると作用点のぶれがなくなり正確なラインが容易に描けるようになります。


なのでベン石温熱器で起立筋の深部トリガーポイントへの注熱をおこなって、
それから棒状かっさの梃子で肘を力点操作をしたことで、
お客様が寝入った状態で、一番の難題部位のリリースが終了!


私としては肘を力点に力を加えることがなくても、
どうにかして根性で昨日のお客様の困難部位を解く気合でした。
お客様にも、身体の完成が近づいているから、非常に難しくきつい部分でもあるが頑張ろうといったほうがいいと思っていたのが。。。

そのような不安をもたせることもなく、無事にアフターフォローの施術で最終的なところまでやってのけることができました。


これもしあわせな気分の余韻がつづいたときにでてきたアイデアのおかげ。



難点は、やっぱり最深部までいくと核心部として奥を読み取り操作圧をあたえる計算の難しさは表層筋のリリースでは比ではない。
私自身は体力の消耗は核心部に入ってきて。
今日は菩提寺で釈迦誕生祝のお花まつりに参加予定で出かけるはずが、
いつも使わない筋肉を長時間酷使した疲れから寝込んで起きられず不参加に。 ^-^;

そこは想定外でしたが、今回の肘で力点操作は、いい感じで、今後、広まるのか!?
posted by スズキ at 15:35| Comment(0) | 施術研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

結合組織のカテゴリーで、筋組織のリリースの筋膜リリースと、支持組織のリリースとは違ってきます


数日前のこちらのブログにて。
細胞外マトリックス(=細胞外基質)について、ざっくりと中医学でいう瘀血(おけつ)目線で、話をさせていただきました。


2022年04月06日
細胞外マトリックス内のコラーゲン線維の水分量減少により枯れることでおきる異常により起きる体内のミクロシーンで生じる課題と、ベン石温熱器をもちいたアプローチにより感じた改善の手ごたえ。
http://bodywise-note.seesaa.net/article/486319966.html



細胞外マトリックスについては、民間医療国家資格をおもちの先生はテスト範囲内の内容ですから当然ご存知のことです。
だから私のブログ内の描き方に、瘀血(おけつ)目線という色を付け過ぎじゃないのと違和感を感じられたことでしょう。

『結合組織』を分類すると以下のようにわけることができます。
上皮組織、筋組織、神経組織、そして支持組織。


筋膜リリースによるアプローチ手技は、筋組織の異常という点において改善するテクニック。
筋肉→筋繊維→筋原線維が対象ですね。


細胞外マトリックスについて考察すると、それは支持組織に含まれます。

支持組織」 生物体を 一定 の 形 に支持し維持させる組織のことです。
分類化すれば以下の4つにわけることができます。
・線維性結合組織、
・軟骨組織、
・骨組織、
・血液・リンパ


です。

> 「支持組織」 生物体を 一定 の 形 に支持し維持させる組織

といわれると、まっさきに骨組織と軟骨組織といった、身体を立てるときにもちいられる柱のようなものだけをイメージするかもしれません。
それら骨組織や軟骨組織ももちろん支持組織です。
ですが、たとえば精肉店の鮮度が高い切り出された肉は、ぷりぷりの立体感を持っています。
その肉には骨でささえられてはいないのですが一定の大きさがキープされています。
それが常温で長期に放置されれば、肉の内部にある血液が抜け、リンパ液などもドリップとして出てしまうと、
その肉全体のかさが減って小さくなります。
そのことからも血液やリンパが、その生物体を一定の形に支持する役割を持つことがイメージできるでしょう。
先日の私のブログでは中医学の瘀血(おけつ)目線をご理解いただければと、この支持組織のひとつとしての血のところに焦点を当てられればと。

あとは線維性結合組織のなかの分類のひとつとして皮下組織に存在する疎性結合組織。
疎性結合組織の断面の絵をご覧いただいたことがある先生方ならご理解いただけましょう。

マクロファージやリンパ球、マスト細胞、形質細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、などなどが液内に浮かび、
そのなかをコラーゲン線維や細胞線維、弾性繊維があります。

コラーゲン線維や細胞線維、弾性線維が疎性結合組織にかかわる大切な一定の形に支持する役割を発揮します。
こちらのコラーゲン線維や細胞線維、弾性繊維に、なんらか恒常的な圧迫や代謝異常による血液の減少などの悪影響が及ぶことで、
これら生物体内部の組織を立体化させるコラーゲン線維や細胞線維、弾性線維の支持への機能を低減させるようになります。

そうした結果が、本来はやわらかくしなやかな軟部組織のはずの体のその部分が、
質的に骨やそれ以上の硬さに変質している状態が見受けられる場面がみられます。
特にこれは皮下組織としても浅部位以上に深部に非常なる異常な硬質化が現れてしまうため、
本人は無自覚でそこに骨があると感じるものの、
実際は疎性結合組織内部のコラーゲン線維や細胞線維、弾性繊維が液を失ってミクロの世界で張り付いて癒着が進んできていた。
そういうケースがあります。




実は私どもが、どうやって解けばいいのか?!と必死に探索し研究し、頭を悩ましていたのは、これら疎性結合組織の凝りのことです。

筋膜リリースといっておきながら、いまさら筋膜が課題じゃなかったといわれても、複雑な気持ちになるかもしれません。

ですがリリース上の難易度の高さは疎性結合組織のほうがはるかに難しく、そして体内を立体化させて支持をおこない、
血管やリンパ管などの脈管等の管系の通り道を確保するには疎性結合組織の状態が良好でなければならない点をみても、
こちらは健康面、それも基礎的な体質を大きく揺るがすようなものとなりえる影響を持っていると考えられています。

多方面の筋膜リリーステクニックの勉強をして筋膜の解き方の方法を学んだ末にそちらを駆使してもどうしても解けない。
そういった部位が目につきだしたときから、

「これっていったいなに?
 筋膜の癒着とは言えないだろう異様な組織とばけたものがあるのだが。。。
 解剖生理学的には、どういった体内組織で、それがどのような変わりがあってこうなったのだろう?」

というように、ひとつの扉を開けば、気づけばさらに奥にひとつ扉を見つけたようなもの。
おそらく疎性結合組織のリリースがしやすくなった後でも、この奥にまた扉を見つけるのだと思います。

ではなぜ、「疎性結合組織のリリース」というのがしようとしていた仕事でここ最近の研究課題だったんですが、
筋膜リリースと呼び続けてきたかといえば。
それは柔整等の国家資格をお持ちの先生は、
私の話を進める前後のニュアンスで「筋膜リリースといっても、それって疎性結合組織のリリースじゃないの」と、
呼び名ではなく内容を咀嚼し把握して判断していただけていたようです。

なので、一部の専門の方々であればイメージを共有しやすいため、
ダイレクトに専門用語が会話中にはいって短い会話で内容が通じます。

たとえば
「支持組織のダメージの起こりが影響して〇〇になっています。
 だから、その対応に50度弱の熱を12〜20分ほど使って。状態変化の様子を見よう」
「それ、いいね。変化がなければ、腱の繊維に沿ってのずり圧を適量回数加えて筋膜の様子と細胞外マトリックスの相関を観察すればいい」


という話になります。
微妙にわけがわかりづらいように感じられますが、だいたい経験値や基礎知識の共通部が同レベルだとわかれば、
会話内容が具体的かつ詳細に変わっていくものです。

ですから結合組織のリリースという大枠にある、
筋組織のリリースという筋膜リリースと呼ばせていただいているところに、
支持組織のリリースを含めてしまった言い方は、
テスト問題の解答では( ✖ )です。



ただ、
整体院等のホームページなどは、
現状でおからだに不都合な痛みや不快感があって、
そちらをどうにかしたいという気持ちがってみるものです。

すると見た覚えのない専門的な言葉が、多数出れば出るほど、瞬時に読む気も失せるそうです。
たとえ簡潔な短文解説を載せて説明してもすっきり正確な理解がえられませんから、
限りなくグレーな印象が残るため使う側が注意をしなければならないでしょう。
端的に言えば、専門家同士なら別段構いませんが、
そうでなければ専門用語が重ねられれば理解が浅くなり読む気がしなくなります。
すると目的をもって書いて知らせたかったブログが読んでいただける方の数が削り取られてしまいます。。。

その道は、進んでみても誰も幸せになりませんから。
そういった場合、確信犯的にお客様の既知の知識になぞらえて似たものに例えることがあります。

今回の支持組織の変質した状態を筋膜が癒着した状態といっていたのも、その習いとなります。


ちなみに。
私は結合組織のことを「ボディナビゲーションムーブメント」という本のなかから概要を知り、
そこにあった細胞と細胞外マトリックスのことについて分類された内容に関心を持ちました。


こちらの本はお客様からお贈りいただいた本です(T先生、多謝です!)
結合組織について書かれた本を片っ端から読み漁って。
そして結合組織の性質や特徴、特性などの詳細がわかってきた時点で、
筋膜の癒着は筋膜リリースの各種ある優れた手法のリリーステクニックで対応できるが、
支持組織の各線維の場合はもともとが筋膜の癒着にもそれを呼ぶ引き金にはなっているし、
相互に関係性や関連性が見出せるものの、解き方は別ものだと了解したほうがいいと感じました。

ねじをしめるときのドライバーには、プラスのねじにはプラスのドライバーを使うべきだしマイナスのねじにはマイナスのドライバーを使う。
そうすることと大差ない考えです。
プラスのドライバーでマイナスのねじをしめようとしても、うまくいきません。

なので支持組織の、特に疎性結合組織と血管・リンパといった支持組織のリリースといえるようなアプローチには、
それらの特質や特徴を理解した上で、そのねじ山の型にあったドライバーを持ってくるべきだと考えました。
筋組織のリリースアプローチにもちいたときの、そのねじ山の型にあったドライバーを流用するのにはうまくいきません。


現状、私もまだ支持組織の特徴をより深く・具体的に把握するという途中ですが、
ベン石温熱器等のその支持組織のリリースをかなえるツールのおかげで、
リリースの幅や経験によってそこでの施術でのとらえ方やリリースへの応用という内容が徐々に見えてきたと感じています。




課題として、いま私の頭を悩ましているのは、アフターフォローの施術として予約を受けておりましたときには、
一日に一人だけという対応人数に限定したため、施術時間も長く当てたということもありましたが、
精神的にも肉体的にも発力や集中により疲労がのしかかる施術を以前の一日に3名の受付にすれば。
そこに必然的に研究上のブレーキとまではいきませんが、いままでのような自由には動けません。。

そして筋膜リリースは、すでに
ある程度、要領がわかっているもので短時間での対処で上げることができますが、
支持組織のリリースは、もとよりそれの解き方の参考書があるわけではないため、
一から自分で模索しているところで。
筋膜リリースの10倍以上の労がかかる。


それでもアフターフォローの施術の一日一名だからやってこれたものだったのが、
通常の状態に戻さなければ、仕事の継続がいくつかの点で難しくなります。。。

施術の技術を見つけ出す仕事は進んできましたが、
その施術の技術を提供させていただくための応用はこれから。

お客様ごとに身体状況が大幅に違っておりますから画一的なルーチンを作ることは私にはできません。

どのような点を重視して、正規の施術の流れを作り出すか。
どこに落としどころを見出していくか。。。
いままでのアフターフォローの施術の特別な施術の時間や密度、徹底さからえられた成果を目の当たりにして、
そのときにおこなっていた施術の深部への広まりを、一回ごとの施術で塗り替えられてきた。

これからの正規の施術を2時間の施術時間を一コマで用意させていただきたいと考えていますが、
筋膜リリースは技ありのことができるものの、
支持組織のリリースは超時間が労力や手間がかかります。

手順を徹底的に見直して無駄を省くこともしていくことは大切ですが、
お体の状態が不安定さがある方では、筋膜リリースの手技では体質が変わるには時間がかかりますし対応できないところがあることがわかってきました。
せっかく支持組織のリリースを作り上げてきたので、
フルでこちらで対応を全力でしたいところですが、超時間がかかる。
いままでのコロナ禍でのアフターフォローの施術として予約の条件のままとはいかず、
そこをどう使っていけばいいのか。


私には、ここが、いま。
けっこう強いストレスになっています。。。




ただ、3年前のコロナ禍となる前の正規施術受付をしていた施術は、
支持組織のリリースの難解さから壁に弾き飛ばされていたときでした。
いまはそのときから比べ進展できたことも大きく、
これからのお客様へ、コロナ禍で研究してきた独自に工夫した施術を届けたいという気持ちを強く持っております。







最後になりましたが、
専門家の先生ならば、当然にお知りになられていることですが、
もし一般の方で結合組織ってなんぞや?!と好奇心がわいた方がおられれば。
ネットで映像を探したら、以下の解説がわかりやすく感じました。
お時間がありましたらご参照いただければ幸いです。


【結合組織の分類】密性結合組織、疎性結合組織、脂肪組織、細網組織
posted by スズキ at 07:07| Comment(0) | 施術研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする