このブログをお読みいただきたい方:
■ 顎関節に負担感がある方
■ (帽状腱膜の緊張による)頭痛に困っておられる方
顎関節部分が硬いお客様。
顎関節を取り巻く咀嚼する筋肉群のリリースをまっさきに考えていきます。
咀嚼筋は一般に、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4種類が挙げられます。
下顎を上下させる筋肉のことです。
でも、でも。
実際のところ、顎関節が調整がついていない人に多いのは、
これらの咀嚼筋を緩めても具合が悪いという人達が少なくないのです。
そのような様相を呈しておられるお客様です。
では、どのような対応を考えたのか?
頭部の形状が窮屈そうに見えるという特徴がある方でしたので、
咀嚼筋からさらに広げた視野で観察していきました。
それで帽状腱膜という頭頂骨を覆う腱膜の貼りつき具合をチェック。
こちらは下顎の上下にかかわる咀嚼筋ではありません。
ですから一見すれば無関係に見える。
だが私が包丁型かっさを使って自らの帽状腱膜をゴリゴリと時間をかけて緩めたとき。
自分ではそれほど顎関節が押し詰まっていた感覚さえなかったのだが、
右側の帽状腱膜を緩めて頭頂骨からくっきり剥がしきったとき。
右の顎関節の詰まりが解けたため、普通に口をあけただけだったが「がきっ」と中程度の音のクラック音が発せられた。
もしや、、、左側の帽状腱膜を緩めたら左顎関節が同様にクラック音が鳴るのだろうか?
との推測を立てて挑戦してみた。
すると想定した通り、左側の顎関節が「がきっ!」と小気味よく鳴り響いた。
個人的には帽状腱膜を顎関節を緩めるためのリリース点としてとらえるというのは聞いたことがなかった。
それもそのはず、後日、ハンドマッサージで同様な刺激を帽状腱膜にあたえたが顎関節は、うんともすんとも言わず。
それが包丁型かっさの穂先のへら状の部位を帽状腱膜の腱の流れに沿った刺激を加えたときには、
前回よりも小さなクラック音がしたのです。
勝手な推測だが帽状腱膜という、帽子をかぶる位置の腱膜と側頭筋とは根っこで連関性を持っており、
おおよそ側頭筋を緩めただけでは顎関節が動かなかったものが帽状腱膜を緩めたときは顎関節の動きが出せたというときをみると、
帽状腱膜の影響は側頭筋同等か、帽状腱膜の頭頂骨の癒着の進行具合によって癒着が進んでいれば側頭筋以上に顎関節の関節の間を奪う。
そして顎関節の動きを少なくさせてしまう犯人ともなる可能性があります。
もちろん帽状腱膜の前後につながる筋の前頭筋と後頭筋も硬化を強めておれば、それが帽状腱膜の緊縮による顎関節の動きや位置の変位をもたらすようだ。
特にそれは後頭筋からの影響が大きいようです。
そのような独自のやり方としてストックしていた知恵を引っ張り出してお客様にリリース法をお伝えしました。
お客様は包丁型かっさを持ってはおられませんが、
以前、ボディワイズにお客様を紹介いただいた方にベン石のかっさをプレゼントキャンペーンのとき贈らせていただいたかっさがあります。
帽状腱膜はベン石を使ってかっさするようにしたほうが解けるというのは、
幾種類かの素材の違ったかっさで私が試してわかったことなのです。
ただお客様としてはやり方がわからず、いい加減になるとよくないことが起こりそうで不安だと。
・・・私としてはけっこう帽状腱膜のリリースをすると、あとがスッキリするので嫌いではないが、
他人に腱膜という腱の白い組織をがりがりやられるというのは恐ろしくもある。
自分でなら力を弱めたり強めたり加減ができるが、他人ではそういったことがなされないので、
セルフでやったほうがいいなというところ。
それに唯一、首の筋肉や咀嚼筋周りはいい加減なことをすれば後遺症が残りかねないダメージもあるが、
帽状腱膜の場合は直下が骨の薄い組織なので無理やり深く解きに走る必要などない場所です。
だから、セルフでおこなっても安全。
それをイメージに置き換えれば、
毛髪を生えるように頭皮を刺激するブラッシングのブラシをかっさに置き換えてごしごしゴリゴリしてるような感じです。
なのでくしで頭部をとかしたことがない方もいませんから、唯一頭部でこの部分だけはお客様が普通に解いていただこうとしても、
「どーぞ、どーぞ」と笑顔でいえるところなのです。
ただ頭頂骨への癒着や後頭骨への癒着が厳しくなっている場合には、相応にごりごりと刺激してリリースをはからないといけないので、
解き方でこういったやりかたがよいでしょうという方法をお伝えしました。
そして後日、お客様から連絡をいただきました。
「帽状腱膜のリリース、痛かった〜。
だけど解けて頭皮がゆるんで来たら、血が流れやすくなったのかかえってすーすーして気持ちいいし、
解くのが楽しくもなってきた。
そして鈴木さんが言ってたように、何度か解き終えたころに顎関節がぱきぅとなった。
すると初めて鈴木さんが顎関節の円盤部分がつぶれてスペースが失せていそうですからといった意味がわかった。
なんだか口が軽々あくし、そうなったら、体全体の緊張も低減したような気がした。
そしてハードな仕事が続いて顎関節にも不具合を感じていたが、
吐き気がするような頭痛が週一であったけど、
それが、あっきそうだなと思うと、言われたように後頭筋の特定部位をゴリゴリしたらすっと引いたし。
目もしょぼしょぼになってたけど、これはしょうがないと目薬でごまかしてたけど。
眼の疲れが半減して驚いたよ」
という報告を受けました。
こちらのお客様の場合は、頭痛に関して病院にもいかれたそうですが、
検査結果は異状なしで痛み止めのようなものを処方されていて困っておられたそうです。
帽状腱膜の緊張がピークになるほどキンキンに固まってしまうと、頭頂骨や前頭骨後頭骨を、ぎゅうぎゅうに自力で搾り上げていくわけで、
その圧迫がたまたま左側のつむじ横の帽状腱膜の癒着がいきやすいものだったため、
緊張性の片頭痛といわれるような不具合を感じておられたようです
そうした頭部の緊張が頭皮の浅い皮膚が張るだけなら影響が頭部の内部にまで及んで血行の異常をだすような力はないが、
帽状腱膜は癒着して頭部の骨の全体の動きを強烈に阻み始めると、脳脊髄液の排出が脊椎方面へとできなくなり脳内に溜まりすぎてくる。
そうなったときの不具合のひとつの症状として頭痛が起きるので。
もちろん、これはこのお客様に限ったことで、すべての人に言えているわけではないが、
もしも顎関節の不具合や頭痛などがあれば、疑ってチェックして現状を把握するに越したことはないだろう。