2022年02月22日

マルマ療法と棒状かっさを使った梃子の組み合わせで、拡張収縮の動きが大幅制限されていた状態から抜けた、、、、ものの。 大変、申し訳ありませんでした!!


マルマ療法というアーユルヴェーダというインド由来の療法があいます。

全身に分布するマルマと呼ばれる治療点があり、
マッサージや指圧、アロマ療法により状態の改善を促します。

「改訂アーユルヴェーダとマルマ療法」
という私がマルマ療法のメインテキストとしている本には、
マルマの治療点には、種類、大きさや位置、制御するものや、
解剖学的構造、そして損傷に関する特性等が解説しあります。

マルマの多くは急所ともなりえるような人体部位です。
ですから慎重に対処する法を学び手技等を施していきます。

急所と呼ばれるような場所は、
生命活動に重要な意味を持つ繊細で壊れやすく、
全身への影響がでてくるレベルの神経や血管、または靭帯、骨その他がかかわる場所。
そういったところが強いダメージを与えられるか徐々にダメージを蓄積するに至りバランスを崩すと
体調上、かんばしくない状態に陥ってしまうことがあります。

靭帯や骨(関節)に問題がでれば運動器として動きに制限や痛みが生じることも。
たとえば腕が上がらないとか腕を後ろに引こうとすると鋭い痛みが走るなど。

神経や血管などに問題も起こりますが、靭帯や骨組みなどが理想の位置からずれていき、
本来は圧迫するはずのない神経管や血管・リンパ管に圧迫がなされて情報や血液・リンパ液などの流れが停滞する。

そのような状態を効率よく引き起こすような要所があり、
そこをマルマと名付けられました。

なのでそのマルマの損傷や障害を受けた場合にはどういった対処をすればいいのかな?
という方法を教えるのがマルマ療法といえるでしょう。


実は、マルマポイントは、経穴のような360経穴越えのような膨大な記憶しなければならない専門療法と比べれば、
比較的、覚えなければならない分量も多すぎないし、直感的に以前から「この部位は重要そうだ」と臨床で感じた点が、
まんま、マルマポイントだったというところも多々存在するため、認識するのはさほど難しいものではありませんでした。

唯一難しすぎだろ、と音を上げるのは、マルマポイントの名前がインドの言葉で何度目にしても覚えられない。 ^-^;

ただそのようなマルマポイントを刺激するにも、
インド人のような実証と虚証でいえば、熱性の実証の多いインドの民と、日本の方々の体質上の状態とは似ても似つきません。
インド人におこなう対処法のままを日本に持ち込んでも、うまく改善成果が表せられないところがでてくる。

そういった民族上の体質の違いが傾向として大きな差異がある場合、
現地の治療のノウハウをそのまま持ってきましたというのでは
実情にそぐわないという点が散見されるところがでてきてもおかしくありません。

日本人全体の平均的な体質上の陰性度の高まりは増すばかりなため、
10年前の日本人には効いたが現代の日本人には効かないこともある。
そういった本などに記してある内容が、そのまま真実を表さないこともあるので、
特に対処法の施術のしかたには実用にあわせるようなアレンジをしていく必要があります。


たとえばカクシャダラー・マルマという靭帯(種類)部のマルマ。
カクシャダラー・マルマ.png
おおよそ通常は施術者が手指でのマッサージによりほどくこともできたような部位ですが、
施術上の手技のやり方では鍛えてきた私でも、
このカクシャダラー・マルマへの手掌等によるマッサージは効かない方がお客様におられました。

結果的に、棒状かっさを使って、こちらのカクシャダラー・マルマの靭帯をリリースすることができました。
棒状かっさを使った梃子を利かせるやり方です。
この手技、通常、てこを使った圧法は、普段に感じ取ったことがありえない圧感の刺激により、
お客様の本能が未体験の圧に痛い等の反応を起こすよりも、
「えっ?なに、なに、この刺激の圧って、すんごい不思議なんですけど」というモードに入れて、
施術をやりやすい流れに持っていくことができます。

ただこのお客様。
相当に我慢強いお客様だという認識が私の中にあるものの、
カクシャダラー・マルマを棒状かっさを利用して梃子を活かしたずり圧をかけたとき。
今までにないような激痛を感じたとおっしゃられていました。。

そこについては私自身、通常、痛そうだというところは前もって、
「ごめんなさい、痛みがここ、でやすいんです。痛かったら、すぐ言って。別のやり方に変更することもできるから」
といいながらリリースを進めていきます。
別のやり方をすると、現状のやり方の5〜6倍は時間も手間もかかるので、現状のやり方で通せればという本音はありますが、
ですがここで嫌な恐怖の痛みのトラウマをたくさんつくって持って帰ってほしいと思っているわけではありませんから。

ちなみにカクシャダラー・マルマ。
脇の肋骨全体(特に上位肋骨1〜5ほど)の上側への位置を持ち上げてしまって、
肋骨の形状が拡張収縮率が悪くなっている人には痛みが出やすい傾向が見受けられます。

・・・カクシャダラー・マルマを棒状かっさを使って解かれたお客様の肋骨。
激痛を乗り越えられた結果、今までにないような肋骨全体を軽めの圧で押して動くようになっていました。
ここの部位がアプローチを思い切ってする前は、鎧のような硬さに陥りがちな胸郭の状態でしたから。
さすがはカクシャダラー・マルマと棒状かっさのコンビネーション。
おそらくこの組み合わせでなければ、こちらのお客様のカクシャダラー・マルマ部位の硬化が著しすぎて、
私の手、手のひら、等の特別なムーブを多用する圧だから並みの操作ではないのだが、それでも効かない。
そのような私の手、人の手では、本当にリリースが困難な部位。
というのもこの部位の上部肋骨が前方へと誇張し拡張したまま固まり、上体としては肋軟骨の部位の胸肋靭帯の出っ張りと、
それに対して胸骨の位置の奥まった部位に隠されるようになった狂い。
そこに手指での圧は、容易に骨折の恐れがあるので、そういった硬さになった骨折させやすい手指での圧はかけられない。

そうなると、実は、第1種てこというてこをきかせた圧は、力のモーメントを計算に入れて支点を固定し、
その上で私が力を出す力点は大きなモーションが許され、
お客様にあたえる力の作用点では精密な動きに転化することができます。

これが十分な強さを持った安定的な圧を作り与えられる利用価値の高さと、
力点で大きく動かして表現した内容が、精密に作用点の動きに転じてリリースの精度をあげられ、
危険も回避することができるメリットがあります。


このてこによる手では解けないほどの骨化が進んだといってしまいたくなるような組織に対しても
十分な負けないパワーを持って対抗できるという点も重要ですが、
それ以上に、圧をかけるときの押し引きの操作が逆転するため、そこの感覚を慣らす訓練は必須なものの、
これほど絶妙にイメージ通りに想定したままの絵を描くことができるなんて!
という様子のことが可能となります。

おそらくこの度のお客様の激痛、、、そこは、まったく私の未熟なゆえの痛さが私が想定した範囲を超えたものだった点は、
反省すべきだと痛感しております。

ですがその激痛が隠されていた部位は深部の芯に根付いたもので、
手掌では触れ切れることがなかったところでした。
すでにかなり多くの回数、丁寧過ぎるほど丁寧に、時間、労力、すべてをつぎ込んでのセッションをしてきたので。
そして昨今、棒状かっさを使ったてこをいかしたリリース。
こちらをマルマ療法にもちいるとどういったメリットがあるかを調べるため、
自分自身にてこを使った圧をかけようとして練習はしています。。。

が、自分自身に向かって梃子をかける圧を作るのって、、、
人間の手の構造上、自分の脚部や腹部には可能ですが、他はほぼ無理のような気がしております。
かなり工夫しても、うまくいかず。

そこのところは、おそらくマルマに棒状かっさを使った梃子は、興味深いと思うのですが。
なかなか研究が進まないで困ってるところです。 

ただカクシャダラー・マルマは、自分にもできた部分で、どんな人体の反応が起こるかとか、どれほどの強さで肋骨の部位に当たり損傷させるかなどの強さ具合は確認して、要領がわかったのでお客様にもちいたのですが。
循環器の様子に問題があられる方の場合、なんらかこの部位に即した特別な緊縮が炎症を強くともなった形で持っているのかもしれないと推測いたしました。


あまり他の先生がなさってないことをやろうというのは、
難しさもあります。
同時に、現状の壁を突破できる力として、結果が見えてくることもあります。


ただ、棒状かっさを使った梃子でてこ圧をかけるときに、初手では軽擦にとどめおいて様子を見たほうがいい場合があると感じました。
重ね重ね、そのお客様には痛い思いをさせてしまい恐縮いたしております。




posted by スズキ at 14:53| Comment(0) | 施術研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

肥田春充先生の「手」

このブログをお読みいただきたい方:

■ 肥田春充先生のファンの方

■ 手の使い方を研究なさっている方




人差し指と中指を握るか伸ばすか.png

上図の左右の写真。
肥田春充先生の強健術をおこなうときの手の型の2つのパターンです。

一見すると左の写真も右の写真も同様なものに見えてしまうでしょう。

ですが私どもでは目のつけどころで、
手首の反り返りや手首のしわの深さ、
手首の腱部が張り出していないかどうかなど、
他にもそれぞれの特徴の違いを探し出します。

すると明瞭な差異と良否がわかってきます。



以前、強健術の本の読みが甘かったのか私は右側の残念な手でした。 ==;
人差し指と中指を、単純に手の内側方向へと折り曲げてグーにした。。。

これじゃ、普通のグー・チョキ・パーのグーじゃないか!


人差し指と中指を親指で押さえて、薬指と小指と分けた意図を汲み取れていませんでした。
親指を根本的に何に見えるのか。
意味が消化できていませんでした。
独りで本を参照しつつやっていくところのリスクでしょうか。

右側の手の握りで強健術の型をすれば、首、腰、膝がいかれてしまうわけです。。。



正解と私が今考えているのは,以下となると考えています。

左側の手の図は人差し指と中指を親指で押さえつつ橈骨を前方へと押し出しつつ跳ね上げます。
薬指と小指は尺骨を体幹方向へ引きつつ軽く握ります。


意識は、橈骨を前方へ伸長させる操作と尺骨を体幹へ引くそれぞれの量を土台とします。
その上で手指の親指を人差し指と中指を親指による跳ね上げ圧量と
薬指と小指で親指を握る圧量の調和を精密に親指か感じ取るようにするセンサー役を担わせること。


親指への圧感が、薬指と小指が強圧すぎて薬指と小指が弱圧であれば、その手は死にます。
橈骨と尺骨の動作を人差し指と中指と薬指と小指が象徴し、つりあいを見出す触覚化します。

親指への圧感が、薬指と小指のセットと薬指と小指とが拮抗した量に置き、
拮抗が玄妙に一致すればするほど、そこから圧の微差を意図して作れば氷上を滑るように、
最良の手の動き(肩甲骨・肩関節、肘関節、手首関節)のみならず、全身が潤沢な動作する状態が現れてきます。


また動作により橈骨を体幹へ引き、尺骨を前方へ送るといった、逆式も修練する必要があります。



橈骨と尺骨に分かれた2本の前腕部の骨をどう分析しもちいるか。
そのときの肩甲骨周辺のローテーターカフがどう操作されたかを観察し、
そこでの再現性ある動きを作り出せるようになるか。

運動が苦手な私にはだいぶ練習しても、まだ不十分な練習段階です。
ですがそれでも動きの精査が可能となり安定的にいました操作を記録し改変を繰り返すようになりました。
この操作法が納得できるようになってきたため、
施術のときの首筋などで要求されるミリ単位以下の部位に1グラム以下の必要圧を、
必要な方向へ複雑な動きの方向変化をつけながら圧移動ができるようになってきました。


ベン石温熱器等がなければ首筋を深層までリリースするのは、私のやり方ではできませんが、
それをかなえるのも自分自身の身体を道具として使いこなすことがまっさきに要求されてのこと。
そこが整えられ磨かれることも大切だと思います。


人差し指と中指を握るか伸ばすか2.png
posted by スズキ at 10:59| Comment(0) | 体の使い方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする