2022年02月19日

「後仙腸靭帯」や「仙棘靭帯」や「仙結節靭帯」といった仙腸関節に関する靭帯群を、どうゆるめるか?

このブログをお読みいただきたい方:

■ 仙腸関節に興味がある方

■ 仙腸関節に不具合があると感じている方



お客様から、
{ 右仙腸関節から脚部までの痛みがあるんです }
という内容のご連絡をいただきました。



仙腸関節が絡むリリースには難しい面がかかわってきます。

お客様の状態を観させていただきますと、
すでに筋肉の表層、中層、深層筋まである程度のゆるみが見えてきています。
するとあと残されているところというか、
注意深く徹底して狙わなければならないところは。

「後仙腸靭帯」や「仙棘靭帯」や「仙結節靭帯」といった仙腸関節の関連靭帯群なのかもしれません。





「仙腸関節」は、仙骨と腸骨の関節面のこと。
全身の関節の中で、最も関節面が広い関節です。

仙骨は体軸になる体幹。
腸骨は脚骨となる脚部。

仙腸関節は、胴体と脚部を結ぶ関節として機能しています。
お尻の裏側から仙腸関節の関節面の一端を触ることができます。

仙腸関節が{なんらかの理由}でずれたまま固定されれば、
全身の関節のずれを引き起こすということが知られています。

何らかの理由とは、

たとえば、
・腰部の腰方形筋の短縮、
・大腰筋の左右差や過緊張または虚脱、
・臀部の仙骨と腸骨を結ぶ靭帯の委縮による仙腸関節がずれた状態での固定
・足首、膝、股関節の関節のはまり状態が理想的ではない
などなど。

様々な要因が想像できます。

仙腸関節のずれも、ずれたての1週間〜半月以内ほど等の急性期であれば、
理にかなった原因に対しての対処をしておけば改善できるでしょう。
早ければ早いほどいいのですね。

仙腸関節がずれること = 全身の関節がずれて、そのずれた状態で動くやり方が常態化してしまう
常態化とは(運動神経系で関節がずれたまま動くという{やりくりの末の急場しのぎの動作}から逃れられなくなった状態)です。

慢性期まで至り常態化という2次的なずれの拡散まで進行すると、
仙腸関節をはまるように調整すれば全身が整うこともなくなります。


この慢性期に入った仙腸関節のずれ、または仙腸関節部の炎症。

そこはすでに「後仙腸靭帯」や「仙棘靭帯」や「仙結節靭帯」などの靭帯が委縮したままとなり、
柔軟性を失った組織に変わって固定されたままになっていることがあります。

仙腸関節関連の靭帯.png

上記の靭帯がずれれば、ずれた側の同側の一側線といわれる腰部の背骨からすぐそばの部位に、
一本のワイヤーのような硬さになって立ち上るものを見つけることができるでしょう。
腸骨稜の直上から腎臓裏手当たりの高さくらいまでです。

この部分のリリースは、脊椎の棘突起部分に癒着した筋の状態であるから棘突起のダメージを与えないように解いていきます。

ただ「後仙腸靭帯」や「仙棘靭帯」や「仙結節靭帯」。
仙腸関節炎であれば「後仙腸靭帯」を圧すると激痛が現れますし、
仙腸関節のずれがあれば「仙棘靭帯」や「仙結節靭帯」へ刺激があれば刺す痛みを感じるなど。

仙腸関節に付着部をもつ靭帯の調整は、後々まで調整後の状態が続き、
いい状態で落としどころよくても・・・
ミリ単位での変更でも影響がでる。
ダメージが与えられ気味であればその身体的ストレスの問題がでます。


他者が、たとえそれが施術家であったとしても、
目に見えて強い影響が、いいほう、わるいほうに現れてきます。
だから非常にむずかしい調整部位で、いい加減なことができないところです。

私が整体の専門学校にはいっていた昔ですが、
そのときにSOTという仙腸関節部をわずかな力を持続加圧する修正法で、
未熟な生徒同士、ひとりずつ体調不良に倒れたということが記憶に残っております。

いまは、私としてはベン石温熱器で温めてから振動刺激を使って関節面の隙間をあけるというやり方で、
どうにかならないものかと。
自分自身に試しています。
ゼロプロマッサーを使って「後仙腸靭帯」や「仙棘靭帯」や「仙結節靭帯」を、
角度に変化を付けてどの角度でどのようにリリースが起きるか。
データをとっています。

そこではうまくない角度でも過剰に当てての実験中なもので、
それで頭の中がクラクラになって、這うようにして移動するときもあったり。
仙腸関節に刺激を与えると、頭部の裏にある後頭骨にガンガン響く連鎖がありまして。
仙腸関節への刺激は頭に直撃します。。



私自身も左側仙腸関節の問題はないのですが、右側仙腸関節部位は慢性的なずれが内在しています。
(※ 日本人の右利きの人のほとんどが大なり小なり右仙腸関節にずれがみられます)
そこを改善できればノウハウを手に入れられたということになるので。



通常はゼロプロマッサーのような電動器具を使わずに、
ハンドマッサージのような自己調整なら無茶なことは、
本能的にやってはいけないことがわかるものです。

とりあえず、グラグラと頭がふれているときには、
以下の棒状かっさをつかって仙骨上の凸凹化した解け方の部位を平たん化させるようにしていきます。

棒状かっさグリップ付き.jpg

そうすることで、ほっとひといきつける感じに落ち着きます。


背中部分への刺激は、この棒状かっさはやりやすいですね。
お尻の裏の仙骨部位もそのようです。

もしかしたら、日々、少しずつ「後仙腸靭帯」や「仙棘靭帯」や「仙結節靭帯」の上を棒状かっさでリリースできるような軽擦をおこなうことで、
慢性化した仙腸関節のずれを改善方向へ向かせることができるのかもしれません。



他にも「後仙腸靭帯」や「仙棘靭帯」や「仙結節靭帯」の緩め方がないものかを、
いま、広く探索中です。
posted by スズキ at 12:14| Comment(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする