2021年09月01日

首の深部のこわばりをリリースすることで「風の道の通り」をよくしたい!

首のリリースについての考察。

首のリリースといっても、実際は背中の凝りや前胸部の凝り、腋下の凝りなどが首を絞めつけているため、
単純に首にある硬化した凝り部分「だけ」を緩めるアプローチは、そこの患部が解けづらいだけではなく、
首がかえって強い力でさらなる締め付けを受けることもあります。

手間暇がかかりますが、その前段階に注力し時間と労力をかけておきます。
そういった前段階をすますだけでも理想的なところまで引き上げるには丁寧な対処で2時間弱はかけていくのです。
丁寧な対処には今まで研究してきた筋膜リリースの技法やオステオパシーの技術などのノウハウがぞんぶんに使われています。

「通常の施術で首をここまで解くところはないよ」と、私よりも目上の女性のお客様がおっしゃられました。
このような下準備は、他の施術院では難しく、同様に私の所でも近い将来、そこまでのことは対応できなくなると思います。

そうであるがゆえに、いまの時期はお客様にとっても、私自身にとっても、非常に貴重な経験を積み重ねているときです。



またブログで先日から申し上げていますが、
ベン石温熱器とベン石スティックなどの加熱して筋癒着のリリース負荷を大幅に軽減させ、
ミリ単位のピンポイントにアプローチを集めることもできるようなツールをもちいること。
そしてそのツールの操作を朝顔の手のおこない安定的な空間固定ができるようトレーニングしたこと。
それにボウエンテクニックのムーブをリリースのベースに置いて検査兼リリースができるようにしたため。

それでようやく首のリリースの様子が変わってきました。


先日、ブログで頸動脈、経静脈を圧迫する斜角筋等を緩めてといったことを描きました。
ですがそれはたまたま軽度認知力の後退が起こらないために首の血管を圧迫して脳への血流停滞を防ごうという主題でのこと。

下図でご覧いただくとわかりますが、血管は喉の奥の組織の気管よりだいぶ浅いところへ浮いているように見えるでしょう。
だから実際は、首凝りの本体が根っこのようにさらに奥まった部分にまで入り込むこともあるわけです。


気管.jpg


首の前側にある甲状腺、気管という組織が極度に固められた
筋肉のせいで圧迫される等の悪影響がでていることが見つかることもあります。

甲状腺は、舌骨等の舌を動かす筋肉群の凝りがあると、
より強く圧迫され虐げられる感じになりますね。

気管では。。
気管の外側は 気管軟骨輪 と呼ばれるC字形の 硝子軟骨 が連続して積み重なり、
軟骨と軟骨の間を 輪状靱帯が結ぶ構造になっております。
頸部 の動きに伴う屈曲が容易な柔軟性を保ちながら、つぶれないような強度を確保しています。

気管軟骨輪というガラスでできた軟骨カバーされて気管が保護されいるのです。
ただそれが首の凝りが深部にまで入り込んで、運悪く?輪状靭帯が動けなくなり固定し始めると、
気管軟骨輪の下にある気管が圧迫されます。

気管軟骨輪の圧迫による気管を通る「風の道」に起きた不具合です。


息は私たちが生まれてから死ぬまで、絶えず風となり「風の道(気管)」を行きかいます。


風の道が途絶えれば、それは死を意味するわけです。
だから唯一、ガラス質の強固な軟骨で管が閉じないよう強力な工夫がなされているのです。


ですがそのような重要な風の道にさえ、影響がでることがあります。

すぐ頭に浮かぶのは、肥満体形の方が寝ているときに喉や気管に圧迫があり、少しの間、無呼吸状態に陥ることでしょう。

ですがそこまで極端なケースではなくても、私が、お客様や他、テレビやラジオ、または街中で声を出して話をする人の発声中に起きる
風の道が縮められて(つぶされて)細い状態になった人の声を聴くことがあります。
ただし本人的にはいきなり首を絞めつけられて息苦しさがでた状態ではなく、真綿で首を徐々に時間をかけて絞めていったようなことで、
その息苦しさに対して慣れが生じているので。
あまり気づかれていないということが多くあります。
なかにはその風の道を通せんぼする割合が1/4もの量に達し、
いままでの呼吸の低空飛行でどうにかやっていた状態をも下回った生活に陥る境を下った人もいて。
そうなると、俄然、恐ろしい息苦しさが、どっと襲ってくるのです。

でもそのようなつらさまでいかない人でも、
長時間のデスクワークやスマートフォンやタブレットを使って肩甲骨や鎖骨の外旋固定があれば、
すでに多かれ少なかれ構造的に考えれば気管への圧はかかっているようです。


私どもは、そのようなことを、中医学でいう聞診のひとつとしてチェックして、
喉への凝りの達し具合を推測するわけです。
もしかしたら私どもの所で施術を受けてくれている歌を歌われる方ならば、
この見分け方ができるかもしれませんね。


喉にある甲状腺や気管をつぶすような深部への凝りができると、
その部分はもう、施術では事故の危険があるポイントですから触れないままにするしかない。
それはそうでしょう。
喉の部分といったら生命にかかわる急所のひとつです。

それに首横の凝りが進んで数年も立つと、骨と同様な硬さまで、気管周りの組織が固まるところもでてきます。
短時間でちゃっちゃと画一的な解き方があるわけもないのです。


私も、他のカラダの部位はたいてい心穏やかに解くことができますが、
この喉の奥は触りたくない。
正直に言えば、なんでここを凝らせるんだよ〜と泣き言を言いたくなる唯一の怖いところなのです。

私も、この部位へのアプローチについて文献を当たっても望むものもなく、
考えあぐねて手足が出したくとも出せないときが、15年以上続きました。
そして今も、風の道を通りよくするための手技について考え続けてます。


要するに、ここが支障してしまうと肺が強くてがんばってくれてもその効率を落としてしまい、
細胞を働かせる血中酸素量を低下させ、老廃物として排泄したい血中二酸化炭素量を増やすのです。
そこから先、どのようなことが起きるかは、生理学を詳しい人ならば想像がつきますよね。。。


そういったこともありますので、
気管という風の道を正常化させ、
理想の呼吸代謝ができているようキープすることを心がけていきましょう!

お客様から「私の首の前は、十分理想的ですから、解いていただかなくても結構です」といわれ、
私がその部位をチェックして「いいですね!最高です!!」
そんな笑顔の会話をしましょう。




最後に。
私は最近、運動と言えば、散歩とその歩いているときにする朝顔の手の操作練習ぐらいですが、
朝顔の手の操作練習が効いて、首の深部の凝りが少しずつほどけてきたのです。
非常にありがたいことで、お客様が朝顔の手の操作の練習を私のようにおこなえば、
手技で首の深層筋をアプローチするときの助けになるでしょう。

私は施術で前傾で力仕事をするといった、カラダの裁きがよくなければひどい首凝りを創る仕事を長年してきたので。
カンタンにさっさと凝りが消えることはないのですが、時間をかけてやるうちに着々と少なくなる様子が観察できています。

なので私ほどの首の深部に凝りを抱えてはいない人なら、朝顔の手の操作の練習をすることで、
セルフリリースが完了できるかもしれませんね。

手技療法では、着実に理想に向けて改変する技術を発揮することで、
セルフリリースで起こりがちな不測の変化で一時的か継続的な不具合を生じることも少ない。

でしょうが手技療法では、コロナの今ですと多くの方々に接することは私にはできませんから。。。

個人個人が、自分で自分を癒せる方法があれば、多くの人が助かるはず。
そこに光明を見出せればと思っています。
posted by スズキ at 12:57| Comment(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

抗ストレス作用が、老化防止につながるといわれる理由



人間は、ストレス作用がカラダに加わりコルチゾールの分泌量が増加するにしたがい、
「戦うか逃げるか」といわれるような<緊急時の対応>を迫られた状態に陥ります。

肉体的または精神的なストレスがかさんできたとき交感神経が優位のままとなります。
とっさに次の動きが取れるようブレーキペダルを踏みながらアクセルも踏むといった、
エンジンを空ぶかししているのと同じような、
ガソリンも無駄に消費されるしブレーキ等の機構に不要な負荷で削られて摩耗します。
肉体の内部でも、これと似たような状態が起きているといわれております。
活性酸素が体内で多量に発生することとなり、それにより酸化するのです。
そしてこの「酸化現象」こそが人体の劣化を促進させる<老化>なんです。

ストレスがかかり続けると、実際に対処行動をとっていないにも関わらず、
アクセルとブレーキを踏み続けたときと同様のエネルギーを消費します。

ストレス下では無意識に身体の筋緊張(特に脊柱起立筋を通る膀胱経)により生命エネルギーがだだもれに消費され、
平静時より1.5〜3倍ほどの疲労が加算されると、主張なさる先生もいます。
カラダを動かしているわけじゃないが、背中の筋が緊張が手放せなくなり、
重心が上半身にずれ上がったままに固定された度合い等によって疲労度の加減も変わるようです。

これはカラダを動かしたときの運動や労働とは違う種類で、
「動きが表面上見えてこない」という特徴から見過ごされがちですが、
実際に多くのエネルギーがそこに無駄に使われているのです。


通常、脳は全身のエネルギーの20%を消費するといわれていますが、
頭から離れられないストレスを感じ続ければそれが倍になってしまう。
それは運動により消費されて筋や腱に代謝が促されるものではありません。
ただただ血圧をあげたり血糖を増すなどの対処をした末に、
脳内に多くの血を送り込み続けられます。
ストレスが思考や意思や状況や環境の変化で消滅するまで、
答えの出ぬまま悶々と脳に20%を上回る血を送り続ける。

悩み過ぎる、人を恨む、怒りを持ち続ける等々の状況に落ち込んでおれば、
そうなったものの生命エネルギーは、過剰に脳で浪費されて、
体表にあらわれてみつけられない部分に、その爪痕を残します。


それが慢性的な疲労であったり、
本来行くべき脳の思考エリアへと血流が行く分がそれて思考が停滞したり停止するとか、
このようすが長期にわたれば疾患への引き金となるともいわれております。

そしてこうして疲弊して酸化が進んだ肉体の現象を「老化」と呼ぶのです。


抗ストレス作用があるハーブやそのサプリなどを利用することが、
ストレスホルモンの排出量をコントロールすることとなる。
そのタイミングが、脳がクールになることで、
物事を客観の眼で見つめ観察できるようにし、
より適正な判断できるチャンスの訪れです。
結果的にストレスに対して対抗できる方法を見いだせたなら、
それがその人にとっての精神的な成熟・成長となるわけです。



アーユルヴェーダは、肉体を観るという発想と同程度の重要視で精神を観てそれに対処の手を伸ばすという特徴があります。
西洋医学でも、昨今では精神的な状態を観るようになっております。
アーユルヴェーダも、それを5000年以上昔にさかのぼってやっておりましそうな。
私の見た感じで勝手なことを言わせていただければ、
アーユルヴェーダの精神の取り扱いは浮ついた感じがない体を扱うほどのリアリティが描かれており、
メスで患部をカットするような鋭さでそこに手を伸ばしてきます。
そのように対処できるためのツールについて、よく研究されているのです。

そのような思想にもとづいた【 抗ストレス作用 】。


抗ストレス作用とシンプルにいうとわかりづらいが、
ストレス度が高いときに脳内で浪費されるエネルギーが多量と化して、
他の肉体へのエネルギーが枯渇するのを防ぐための作用と考えたほうがイメージしやすい人もいるかもしれません。





植物の力、恐るべし。。
それを経験で見抜いた人の力は、偉大なり。。 
posted by スズキ at 02:41| Comment(0) | アダプトゲン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする