2021年09月02日

注目してください! ここだけの話、施術の狙い目は「皮膚」でした

皮膚をとらえて施術をすると、その皮膚の下に位置する硬直した筋肉のリリースが起きます。

ただ実は、、、。
その皮膚をとらえる施術をかなえるためには、高度な手の内を作る修練が必須で、
短拇指屈筋や短拇指外転筋、拇指内転筋や拇指対立筋などに肥厚が見られる体作りができている人の施術では、
絶妙で効果の飛躍するような皮膚への施術もできますから。

たとえば、施術家と握手をした瞬間に、手の内側の筋肉の厚みが一般の人とは大きな違いがあり、
握るときの使い方がつかむ感じではなくつつむ感じに近いようであれば、
もしかしたら「皮膚を使った施術」をなさる先生なのかもしれません。

私が施術をなさる先生方にお会いしたとき、必ずチェックするポイントがそこにあります。






私が朝顔の手の操作の練習をする理由には、
筋肉に強圧をかけない施術のし方を新たに採用したいと考え、
皮膚を触れるだけという刺激から施術効果を引き出すという課題をクリアする意図があります。

筋膜リリースなら、当然のようにとなりあう筋肉同士の筋膜の膜組織が癒着し、その癒着をはがす作業がメインと思われがちですが。


以前といってもそう昔ではない以前ですが、
私は自己研修として、武のたしなみがある施術家の施術を体験しにいきました。

そのときの圧の意外性に、驚きを隠せなかったことがあります。

とにかく「触れるだけ感覚」。
その触れた指先からは、ごつい胸板を誇る先生からは想像できないやさしさが皮膚を通して感じとれます。
それだけ(?)にもかかわらず、よく体が緩まるのです。

すでに筋膜の癒着度合いが骨化と呼びたくなるほど硬化が進むと、そのやさしさを弾き飛ばして効きがよくないようなので使い勝手が悪い手法となりますが。
急性の凝りのような、その皮下の筋に十分な血行を妨げる障害物の質がほどけやすいときには、
まさにこの皮膚に触れるだけのリリース法のみでも、直ちに改善効果を示してくれます。

中医学で言う太陽病といわれるような、陽の気の循環が一時的に阻害されたような場合、
同様に皮膚に触れるだけのリリースでも、直ちに改善効果を示してくれるようなのです。


「それは、どういう仕組み?」


不思議に思えて聞こうと思いましたが、聞いてわかったつもりになると、しっかり層の厚い背景を読み込むことがなくなりますので。
あえてその不思議な感覚を課題として、自宅に持ち帰りました。



皮膚に触れるだけのリリースが効く。。。

これって、ボウエンテクニックのムーブをするときに関連筋をとらえてその筋へ刺激を送る場合、
以下の2つのパターンがあることがわかりました。

・しっかりとした圧で筋を一本まるごとムーブ刺激をくわえることで効かせるリリース
・皮膚に触れるだけの圧でムーブ刺激をくわえることで効かせるリリース

つまり、後者の皮膚に触れるだけの軽微な圧でムーブをかけるときにも、人体はよく自己リリース反応が現れやすい。
場所によって、
200g〜500gほどの圧を目的にあう筋へ手指の母指球等をフィットさせて圧をかけるよりも、
5g程度もあるかどうかの圧を目的にあう筋の上に位置する皮膚上へ手指の母指球等をフィットさせて等速な刺激をかけるほうが
驚くほどしっかりと人体がよく反応し自己リリース反応が現れることがあった。
その後者の5gの圧をかけたときには、ボウエンテクニックのムーブを意識しないほどの小さな皮膚をとらえたムーブに抑えていく。
それがまさに皮膚上に軽く線を描くだけ。たったそれだけの、いわば誰だって難なくできそうなことをしているに過ぎないように見える行為で、人の身体が自動的に微痙攣をおこし始めて内在した凝りやゆがみをリセットし始めてくれる反応が起きていた。

そのときこそ、私には「???」という感想に近いものでした。

その当時、私は、直径3センチほどで10センチ長の真鍮製の丸棒を削ったもので、
トリガーポイントへ筋繊維をよくほどけるよう考慮したピンポイント刺激をかけるというやり方を研究していたころだった。
その真鍮製のスティックを使うときにインパクト圧で、硬化が根についてほどける様子も薄い癒着した筋をリリースしていた。

それがボウエンテクニックでは、表皮あたりをなでただけの刺激で、普段、これほどの快方へ向かう自己修正反応がでる姿は見たことがないほどの場面が見受けられる。


そこには偶然ではない、私が知らなかった仕組みがあるのだろうと考えたのです。
当時、それが経絡や経穴をボウエンテクニックを発案したトム・ボウエンはよく研究していたから、
経穴を含む経絡の刺激により自律神経系のネットワークの不具合を調整できた結果なのだろうと考えていました。

それも正解です。

ですがその経絡だけでは説明がうまくつかない部分も含まれているようで、うまく腑に落ちた感じがしませんでした。



その腑に落ちてこない欠けた部分を補う説明として、
皮膚の構造を考察することを試みてみました。



皮膚構造.jpg


皮膚は、人体最大の器官です。
2u に相当する体表面をカバーし、その重さは、最大10kg。

皮膚の機能には。
• 外界からの刺激に対して体を保護
• 新陳代謝の終末産物を体外へ排泄
• 体温調節
• 感覚器–(触覚・庄覚・痛覚・冷覚など)


構造的に皮膚は3層に分けられます。
・表皮(わずか0.03〜0.05ミリメートル)
・真皮(細かい血管や神経がある)
・皮下組織(真皮中のものより太い血管や神経がある)



表皮と皮下組織の間に挟まれた真皮にフォーカスを当てて考えていきましょう。

真皮は、皮膚の最も厚い層であり、コラーゲン、弾性組織、および血管系、神経終末、毛包、腺などの他の細胞外成分で構成される線維性構造です。

真皮の構成は<乳頭状層>と<網状層>の2層に分けられます。
乳頭状層と網状層の間は 乳頭層は、緩い結合組織で構成される真皮の薄い表層であり、網様層は、密な結合組織で構成される真皮のより厚い層です。

マイスナー小体と呼ばれる触覚受容器が、乳頭層に存在します。
網状層は真皮の乳頭状層より深い層です。
網状層は太い膠原線維束が3次元的にからまった網状構造から成り、下層になるほど線維束の走行方向が平行になる傾向があります。
この層には弾性線維はほとんどありません。
ですが網状層の底部は次第に弾性線維が多くなり皮下組織に移行します。
網状層が真皮の大部分を構成する厚い層で、密な結合組織で構成されています。
不規則に配置された粗いコラーゲン線維と少数の弾性線維があります。


という基礎解剖学的な条件から推測すれば、
乳頭層にあるマイスナー小体で触覚受容器がわずかな力の作用で触れられた圧をとらえると、
「えっ?その刺激はどういったものなのかな」という情報を集めようとし始める性質があります。
刺激は同じ圧量で等速がもっともそれが聞き耳を立てるのです。

ちなみに皮下組織に達する強さの圧がくわえられると「皮膚抵抗」といわれる外圧から身を守る反射が生じてしまう。
刺激に強弱がつくことで一瞬でも皮下組織に達する強さの圧が感じられたら、その後の圧のすべてに対し皮膚抵抗という強力な保護ガードがかかって、軽微な刺激をその後に入れようとしても弾かれて影響できない状態に陥ります。
それがあるためマイスナー小体触覚受容器が聞き耳モードを維持できる圧刺激をかなえるのには、同一な圧量にキープすることが必要です。
圧を移動する速度に急激な加速があれば、真皮ごと皮膚をずり動かす圧となって皮下組織に刺激は達しやすく皮膚抵抗が働く状態に陥ります。
そのようなことが起こらないようにするための良策として、真皮を一定にとらえたままの等速運動による圧を保つとよいでしょう。

この乳頭層への刺激の閾値を通りこさないように注意しつつ、
網状層という太い膠原線維束をよくとらえて刺激を与えます。
皮下組織には厚さが加わったウエットスーツのとらえとなりますが、
網状層という太い膠原線維束は、それが独自の非常にセンシティブな皮膚を全身を覆うウエットスーツを着込んだ状態と例えることがあります。



この真皮の乳頭層の触覚受容器に触れて網状層の膠原繊維束を通して(皮下組織に達しない)与えられる周辺へも通る刺激に対し、人体は大きな治療脈が現れるような反応がよくあらわれます。




そのような繊細な真皮のとらえをする武として合気柔術があるのだろうと思います。
「触れ合気」と呼ばれる神業のようなミラクルな反応を相手に起こさせることで、
相手の軸を取り倒すようなことへ。
そこで使われる手の内の練習に朝顔の手の操作のがあります。

これが真皮をとらえる軽微な同一圧を等速でという条件を可能とする技術のベースとなります。
これを起こすための理を、よく体現できるようにするためには。。。
それに触れて感じてみるしかないと思いますが、一般的な握るとか触るとかとは別物の質を持ったものといえるでしょう。


合気柔術の達人に、触れ合気をかけられていると、肩こりが減ったり体が丈夫になったという人がいると聞いたことがあります。

推測ですが、合気をかけるときに触れる部分の「ココ!」っていうような厳選されたところは、経絡ラインの上にあるのです。
その経絡線(特に経穴上であるとより強力)に触れ合気をかけられると、
途端にその合気の操作に逆らうことができなくなるといったことが起こります。
そういった技をかけられているときが、経絡の気の流れが悪化し停滞した部分の修正をおこなう効果が現れるのだろうと思います。

意図的に経絡治療をしているわけではないが、経絡線上に触れたほうがより技がよく効くということを、
長きにわたる修練や経験で合気道や合気柔術の達者な先生方は身に染みてわかっています。
そんな「接触ポイントとして一番技が決まるところだ!」という点が、ベストな治療点と重なるのです。
そのため驚きの治療効果を発揮するのでしょうか。
posted by スズキ at 04:44| Comment(0) | 施術研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月01日

首の深部のこわばりをリリースすることで「風の道の通り」をよくしたい!

首のリリースについての考察。

首のリリースといっても、実際は背中の凝りや前胸部の凝り、腋下の凝りなどが首を絞めつけているため、
単純に首にある硬化した凝り部分「だけ」を緩めるアプローチは、そこの患部が解けづらいだけではなく、
首がかえって強い力でさらなる締め付けを受けることもあります。

手間暇がかかりますが、その前段階に注力し時間と労力をかけておきます。
そういった前段階をすますだけでも理想的なところまで引き上げるには丁寧な対処で2時間弱はかけていくのです。
丁寧な対処には今まで研究してきた筋膜リリースの技法やオステオパシーの技術などのノウハウがぞんぶんに使われています。

「通常の施術で首をここまで解くところはないよ」と、私よりも目上の女性のお客様がおっしゃられました。
このような下準備は、他の施術院では難しく、同様に私の所でも近い将来、そこまでのことは対応できなくなると思います。

そうであるがゆえに、いまの時期はお客様にとっても、私自身にとっても、非常に貴重な経験を積み重ねているときです。



またブログで先日から申し上げていますが、
ベン石温熱器とベン石スティックなどの加熱して筋癒着のリリース負荷を大幅に軽減させ、
ミリ単位のピンポイントにアプローチを集めることもできるようなツールをもちいること。
そしてそのツールの操作を朝顔の手のおこない安定的な空間固定ができるようトレーニングしたこと。
それにボウエンテクニックのムーブをリリースのベースに置いて検査兼リリースができるようにしたため。

それでようやく首のリリースの様子が変わってきました。


先日、ブログで頸動脈、経静脈を圧迫する斜角筋等を緩めてといったことを描きました。
ですがそれはたまたま軽度認知力の後退が起こらないために首の血管を圧迫して脳への血流停滞を防ごうという主題でのこと。

下図でご覧いただくとわかりますが、血管は喉の奥の組織の気管よりだいぶ浅いところへ浮いているように見えるでしょう。
だから実際は、首凝りの本体が根っこのようにさらに奥まった部分にまで入り込むこともあるわけです。


気管.jpg


首の前側にある甲状腺、気管という組織が極度に固められた
筋肉のせいで圧迫される等の悪影響がでていることが見つかることもあります。

甲状腺は、舌骨等の舌を動かす筋肉群の凝りがあると、
より強く圧迫され虐げられる感じになりますね。

気管では。。
気管の外側は 気管軟骨輪 と呼ばれるC字形の 硝子軟骨 が連続して積み重なり、
軟骨と軟骨の間を 輪状靱帯が結ぶ構造になっております。
頸部 の動きに伴う屈曲が容易な柔軟性を保ちながら、つぶれないような強度を確保しています。

気管軟骨輪というガラスでできた軟骨カバーされて気管が保護されいるのです。
ただそれが首の凝りが深部にまで入り込んで、運悪く?輪状靭帯が動けなくなり固定し始めると、
気管軟骨輪の下にある気管が圧迫されます。

気管軟骨輪の圧迫による気管を通る「風の道」に起きた不具合です。


息は私たちが生まれてから死ぬまで、絶えず風となり「風の道(気管)」を行きかいます。


風の道が途絶えれば、それは死を意味するわけです。
だから唯一、ガラス質の強固な軟骨で管が閉じないよう強力な工夫がなされているのです。


ですがそのような重要な風の道にさえ、影響がでることがあります。

すぐ頭に浮かぶのは、肥満体形の方が寝ているときに喉や気管に圧迫があり、少しの間、無呼吸状態に陥ることでしょう。

ですがそこまで極端なケースではなくても、私が、お客様や他、テレビやラジオ、または街中で声を出して話をする人の発声中に起きる
風の道が縮められて(つぶされて)細い状態になった人の声を聴くことがあります。
ただし本人的にはいきなり首を絞めつけられて息苦しさがでた状態ではなく、真綿で首を徐々に時間をかけて絞めていったようなことで、
その息苦しさに対して慣れが生じているので。
あまり気づかれていないということが多くあります。
なかにはその風の道を通せんぼする割合が1/4もの量に達し、
いままでの呼吸の低空飛行でどうにかやっていた状態をも下回った生活に陥る境を下った人もいて。
そうなると、俄然、恐ろしい息苦しさが、どっと襲ってくるのです。

でもそのようなつらさまでいかない人でも、
長時間のデスクワークやスマートフォンやタブレットを使って肩甲骨や鎖骨の外旋固定があれば、
すでに多かれ少なかれ構造的に考えれば気管への圧はかかっているようです。


私どもは、そのようなことを、中医学でいう聞診のひとつとしてチェックして、
喉への凝りの達し具合を推測するわけです。
もしかしたら私どもの所で施術を受けてくれている歌を歌われる方ならば、
この見分け方ができるかもしれませんね。


喉にある甲状腺や気管をつぶすような深部への凝りができると、
その部分はもう、施術では事故の危険があるポイントですから触れないままにするしかない。
それはそうでしょう。
喉の部分といったら生命にかかわる急所のひとつです。

それに首横の凝りが進んで数年も立つと、骨と同様な硬さまで、気管周りの組織が固まるところもでてきます。
短時間でちゃっちゃと画一的な解き方があるわけもないのです。


私も、他のカラダの部位はたいてい心穏やかに解くことができますが、
この喉の奥は触りたくない。
正直に言えば、なんでここを凝らせるんだよ〜と泣き言を言いたくなる唯一の怖いところなのです。

私も、この部位へのアプローチについて文献を当たっても望むものもなく、
考えあぐねて手足が出したくとも出せないときが、15年以上続きました。
そして今も、風の道を通りよくするための手技について考え続けてます。


要するに、ここが支障してしまうと肺が強くてがんばってくれてもその効率を落としてしまい、
細胞を働かせる血中酸素量を低下させ、老廃物として排泄したい血中二酸化炭素量を増やすのです。
そこから先、どのようなことが起きるかは、生理学を詳しい人ならば想像がつきますよね。。。


そういったこともありますので、
気管という風の道を正常化させ、
理想の呼吸代謝ができているようキープすることを心がけていきましょう!

お客様から「私の首の前は、十分理想的ですから、解いていただかなくても結構です」といわれ、
私がその部位をチェックして「いいですね!最高です!!」
そんな笑顔の会話をしましょう。




最後に。
私は最近、運動と言えば、散歩とその歩いているときにする朝顔の手の操作練習ぐらいですが、
朝顔の手の操作練習が効いて、首の深部の凝りが少しずつほどけてきたのです。
非常にありがたいことで、お客様が朝顔の手の操作の練習を私のようにおこなえば、
手技で首の深層筋をアプローチするときの助けになるでしょう。

私は施術で前傾で力仕事をするといった、カラダの裁きがよくなければひどい首凝りを創る仕事を長年してきたので。
カンタンにさっさと凝りが消えることはないのですが、時間をかけてやるうちに着々と少なくなる様子が観察できています。

なので私ほどの首の深部に凝りを抱えてはいない人なら、朝顔の手の操作の練習をすることで、
セルフリリースが完了できるかもしれませんね。

手技療法では、着実に理想に向けて改変する技術を発揮することで、
セルフリリースで起こりがちな不測の変化で一時的か継続的な不具合を生じることも少ない。

でしょうが手技療法では、コロナの今ですと多くの方々に接することは私にはできませんから。。。

個人個人が、自分で自分を癒せる方法があれば、多くの人が助かるはず。
そこに光明を見出せればと思っています。
posted by スズキ at 12:57| Comment(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

抗ストレス作用が、老化防止につながるといわれる理由



人間は、ストレス作用がカラダに加わりコルチゾールの分泌量が増加するにしたがい、
「戦うか逃げるか」といわれるような<緊急時の対応>を迫られた状態に陥ります。

肉体的または精神的なストレスがかさんできたとき交感神経が優位のままとなります。
とっさに次の動きが取れるようブレーキペダルを踏みながらアクセルも踏むといった、
エンジンを空ぶかししているのと同じような、
ガソリンも無駄に消費されるしブレーキ等の機構に不要な負荷で削られて摩耗します。
肉体の内部でも、これと似たような状態が起きているといわれております。
活性酸素が体内で多量に発生することとなり、それにより酸化するのです。
そしてこの「酸化現象」こそが人体の劣化を促進させる<老化>なんです。

ストレスがかかり続けると、実際に対処行動をとっていないにも関わらず、
アクセルとブレーキを踏み続けたときと同様のエネルギーを消費します。

ストレス下では無意識に身体の筋緊張(特に脊柱起立筋を通る膀胱経)により生命エネルギーがだだもれに消費され、
平静時より1.5〜3倍ほどの疲労が加算されると、主張なさる先生もいます。
カラダを動かしているわけじゃないが、背中の筋が緊張が手放せなくなり、
重心が上半身にずれ上がったままに固定された度合い等によって疲労度の加減も変わるようです。

これはカラダを動かしたときの運動や労働とは違う種類で、
「動きが表面上見えてこない」という特徴から見過ごされがちですが、
実際に多くのエネルギーがそこに無駄に使われているのです。


通常、脳は全身のエネルギーの20%を消費するといわれていますが、
頭から離れられないストレスを感じ続ければそれが倍になってしまう。
それは運動により消費されて筋や腱に代謝が促されるものではありません。
ただただ血圧をあげたり血糖を増すなどの対処をした末に、
脳内に多くの血を送り込み続けられます。
ストレスが思考や意思や状況や環境の変化で消滅するまで、
答えの出ぬまま悶々と脳に20%を上回る血を送り続ける。

悩み過ぎる、人を恨む、怒りを持ち続ける等々の状況に落ち込んでおれば、
そうなったものの生命エネルギーは、過剰に脳で浪費されて、
体表にあらわれてみつけられない部分に、その爪痕を残します。


それが慢性的な疲労であったり、
本来行くべき脳の思考エリアへと血流が行く分がそれて思考が停滞したり停止するとか、
このようすが長期にわたれば疾患への引き金となるともいわれております。

そしてこうして疲弊して酸化が進んだ肉体の現象を「老化」と呼ぶのです。


抗ストレス作用があるハーブやそのサプリなどを利用することが、
ストレスホルモンの排出量をコントロールすることとなる。
そのタイミングが、脳がクールになることで、
物事を客観の眼で見つめ観察できるようにし、
より適正な判断できるチャンスの訪れです。
結果的にストレスに対して対抗できる方法を見いだせたなら、
それがその人にとっての精神的な成熟・成長となるわけです。



アーユルヴェーダは、肉体を観るという発想と同程度の重要視で精神を観てそれに対処の手を伸ばすという特徴があります。
西洋医学でも、昨今では精神的な状態を観るようになっております。
アーユルヴェーダも、それを5000年以上昔にさかのぼってやっておりましそうな。
私の見た感じで勝手なことを言わせていただければ、
アーユルヴェーダの精神の取り扱いは浮ついた感じがない体を扱うほどのリアリティが描かれており、
メスで患部をカットするような鋭さでそこに手を伸ばしてきます。
そのように対処できるためのツールについて、よく研究されているのです。

そのような思想にもとづいた【 抗ストレス作用 】。


抗ストレス作用とシンプルにいうとわかりづらいが、
ストレス度が高いときに脳内で浪費されるエネルギーが多量と化して、
他の肉体へのエネルギーが枯渇するのを防ぐための作用と考えたほうがイメージしやすい人もいるかもしれません。





植物の力、恐るべし。。
それを経験で見抜いた人の力は、偉大なり。。 
posted by スズキ at 02:41| Comment(0) | アダプトゲン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする