2020年07月09日

押してダメなら、引いて! それから平行圧で引っ張ってみましょう! 

私が筋膜の癒着部を解くために施術で使う圧の種類陽圧・陰圧・平行圧


陽圧陰圧平行圧.jpg

あまり聞いたことがない単語ですが、これから少しずつお話していきますね。


刺激には、人体へ与える影響の想像がついてカラダが反応できる既知刺激と、そうではない未知刺激があります。




外圧は刺激を受ける前にリアルな想像ができる「既知の圧」です。
リアルな想像がわくものに対してカラダは対処を準備できます。
既知の圧に対しては、少なからず皮膚抵抗や筋肉プロテクターによりブロックされる傾向にあります。


対して陰圧(皮膚を引っ張り上げられる圧)は「未知の圧」です。
どのような対処をカラダがとることでその刺激を避けられるか。
正解が見出せません。
自然界で陰圧を受ける経験がないため、
どのような刺激の質だったかも想像がぼやけています。
リアルな想像ができません。想像できないからわからないのです。
だからカラダにどのような反応を起こせばその圧に対抗できるかの指令はない状態です。
刺激に対して準備ができないどころか、対処法を探るため未知の刺激を観察し始めるのです。

施術は「既知の圧」を採用することもありますが、「未知の圧」の採用に鍵があります。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


まずは一般的に用いられそうな外圧刺激から。





野球をしていてボールがカラダに当たったとき、その衝撃的な刺激から身を守る。
ボールがカラダに当たる.jpg
ボクシングで、相手ボクサーに腹部を殴られたとき、皮膚や腹直筋を緊張させて硬度をあげて内臓を守る。


私たちにとってこのような衝撃は未知の状態ではありません。


プロテクター作用は、特に衝撃を受けることがわかっている意識があったとき、しっかり利く作用です。
でも思わぬ段差に気づかないでコケて尻もちをつくとっさのときさえ、
地面につく寸前でお尻の皮膚を固めて自己防衛をはかります。
反射的に外部からの刺激から体の内部にダメージをつたえないようにすることで、
私たちは体を守るようできています。

皮膚や筋肉は外圧または外部からの衝撃から身を守るという
「プロテクター(外部刺激からの保護作用)」プログラムが組まれています。



だから人や他の動物も含めて、強烈な圧を外部より身体内部へ向けて加えられても、
皮膚抵抗や筋肉を無自覚的に緊張硬化させて内部を守る作用により、
私がお客様へ加えた圧の大部分は弾き飛ばされているわけです。


一般の方が圧と聞くと、この効率の悪い圧法を思い起こすと思います。

施術者としてはもっとも筋膜リリースをなすには効率が悪い圧で、
この圧を回避する別法での対処の追求。
これが施術の技術上の研究テーマとして、多くを占めます。




外部から体の内側へ加えられた刺激として、
陰陽で言うところの【陽(プラス +)刺激・陽圧】といわせてください。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


対して。
陽圧より、ちょっと賢い圧のかけ方もあります!




カッピングのような皮膚にカップを付けて吸引して皮膚を持ち上げる圧を加えたとき。
それも身体に対して加えられた外部刺激ではあります。

ですが元々自然界では皮膚を吸引されるような刺激がほとんどありません。
タコの吸盤に吸われるくらいしかとっさに思いつきません。
ほんとうに稀な刺激なんです。
人間も、そして他の生物でさえも、
そのような稀な刺激には、わざわざ反射行動を起こしてまで耐性を付けるような脳への負担のかけ方はしないのです。
外部圧をはじくよう自動救済装置のようなものを常時アイドリングさせているので、とっさのときに働くのです。
それがめったに起きない吸引刺激に対して備えるためエネルギーを使い続けるなんて経済的じゃありません。

吸引刺激に対しての抵抗をする反射的なプロテクター行動をとるプログラムは組まれていません。
皮膚をつまんで骨から遠位へと引き上げるという刺激に対しても同様です。

ほぼほぼ無抵抗に、引き上げられる感じでしょう。
持ち上げられた初期には意識的に皮膚を緊張させて多少抵抗できても、
30秒もしないうちに引っ張り上げられてしまうでしょう。

外部から体の内側へ加えられた刺激ではありますが、
吸引圧または引っ張り圧のような身体に対して持ち上げられる圧の場合。
陰陽で言うところの【陰(マイナス −)刺激・陰圧】といわせてください。



陰刺激は筋膜をリリースするとき応用すると、いい成果がでやすいようです。



私がホットストーンを筋膜の癒着部分に当てて「 トントン! 」と叩くとき。
お客様は叩かれた体の奥へ伝わる刺激でしこりが解けていると考えている人もいるでしょう。

ですが私の意図は違います。


筋膜が癒着した部位の端っこに、筋膜同士を剥がすための2枚の紙(こちらの前のブログ内容参照願います)のはがれ目のようなところを作りたいのです。
うまくいけばはがれて引き離せるような目になると見込んだ部位にホットストーンを当てます。
狙いを定めて3ミリ単位以下の狂いを抑えてホットストーンを叩いて刺激を加えるのですが。

でも、もし私がお客様のカラダへと、ガツンガツンと身体内部へダメージが与えられる圧を加えてていたら。
どういったことになるか考えてみてください。



それは体の筋膜の癒着を解くどころか、体の内部炎症を改めてこさえつづけるようなことになります。



でもそこまでのことがおきることがなく、筋膜部位はリリースが起こるのです。

実は、「トントン!」とインパクト圧を与えたときのポイントは、
体内内部へ加える陽圧を抑え気味にして(残念ながらこれがゼロにはならないのですが)、
体外へ跳ね返る陰圧を起こすような圧をつくることで、患部の癒着部を解くようにしているのです。
これはインパクト圧を加えるときに使っている私のツールが、その秘密を握っています。
なにかリリースに役立ついいものはないかと、片っ端から試したときに見つけたのです。




「陽圧」で、ガンガンと強めの圧をかけて解くこともできます。
ですが、それは私どもとしてはとるべき手法ではありません。

なぜかといえば、陽圧による刺激の特徴が皮膚抵抗が甚だしいため、
内部の筋膜の癒着部まで刺激が通りづらいし、
プロテクター筋以下にあって無理やりに改変された組織も、
早々に以前の施術前の状態に戻すように「回復作業」をします。
だから施術前の状態への戻りが速攻で起きるのです。



お客様がそのような施術を受けられたとき。
施術直後は楽になった気持ちを味わえたとしても、すぐに戻ってしんどくなるはずです。
施術費を払った甲斐がない。


それに対して「陰圧」は、皮膚抵抗がかからないためか。
「陰圧」で調整をしたときは施術後の改善状態が長く維持するという特徴があるのです。
なので、この手を使わないわけにはいきませんよね。





たとえば、スティック状のホットストーンを2本持って胸鎖乳突筋を緩めたいなら?

それらを使って起始・停止を同時刺激をして緩める使い方もします。
それも正解です。

ですがもし胸鎖乳突筋の筋腹部分が斜角筋と交わり、そこがきつく癒着が進んでいるときは。
スマホ首の人たちのことですね!
そのようなときは、斜角筋と胸鎖乳突筋の隙間に一本の適温加熱したホットストーンを設置固定して、
もう一本のホットストーンで胸鎖乳突筋を頚椎から遠位になるように引き上げるようにします。

これは首筋は人を殺せる急所ですから、首の奥へ向けての加圧は避けたいので陽圧をかけられないのです。
なのでうまく陰圧として引っ張り持ち上げていくような刺激ではがしていく。
すると陽圧で喉に押し付けるような圧をかけても一切解けなかったところが、
徐々に、着々と緩みだしていくのです。

このときにもちいるホットストーン。
それがいただいた「白かっさ」が使い勝手がいいんじゃないかなとみています。

白かっさ3.jpg

(※ 喉の陰圧は、やり方が相当に繊細かつ難しい個所です。不用意にはなさらないでください。)





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




他にも、さらに使い勝手のよい圧があります。

私の今の施術では、7割がたがこれから申し上げる圧をかけることで構成されています。

実用的なのです。


やり方の概要を申し上げますと、
たとえばですが、、、一定の圧(たとえば100g)を加えます。
そして一定圧を維持し続けたまま、筋肉の繊維の流れに沿って特殊な平行圧をかけるやり方です。
ボウエンテクニックというボディワークで習う、ムーブというテクニックを応用したものです。

そのときの手の動きは加速運動にしてはいけません。
等速運動でおこなわなければリリースが起きにくいでしょう。
それどころか加速運動での平行圧は筋組織にダメージを残すかもしれない。
安全と効果向上を考えて等速運動での圧をかける練習をすることでしょう。

他にもいくつかポイントがありますが、ボウエンテクニックを学んだときの規約のため、
お話しできないので申し訳ありません。残念です。。。
もう少し私らしいやり方にアレンジを加えて独自の様式にできたところまでいけば、
お伝えしても大丈夫じゃないかなとは思うのです。


この等速一定圧運動でのリリースをベン石温熱器で背中や他、大きな筋肉を緩めるときに、
最大の武器になっています。
リリースが陽圧の2〜5倍も稼げる感触があります。


普通にベン石温熱器で患部をこすって緩めるだけでも、確かに解けることは解けるんです。
ですが、それでは意図した筋膜の癒着部位にダイブして乖離させることはできないのです。
精密なアプローチができてこなければ成果がだせない緻密な作業をする場も、
身体にはたくさんあって。
そのようなところへの精度を高めてくれております。



現在の私はボウエンテクニックの施術をできますという看板は掲げてはおりませんが、
もしボウエンテクニックの講習会を1年間通っていなかったら、
トントントンなどの陰圧止まりだったと思います。

それでは筋膜の癒着をはがすベン石温熱器の活躍は、半減しています。



かなりの受講料と学習時間や期間をかけましたが、
間接的にお客様へとその成果が還元することができて、うれしいです。


posted by スズキ at 18:21| Comment(0) | ホットストーン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

うまい筋膜リリース、へたな筋膜リリース。その違いは?

先日、お客様から。
いまは販売していないレアで貴重な「かっさ」をいただきました!

その名も:白かっさ!

白かっさ2.jpg
ボディ専用天然石かっさプレートつき 白かっさ美点マッサージ@BODY


白かっさ1.jpg



ありがとうございます!!


複数個いただきまして、個々のかっさの形状の微差があります。
それぞれの使い勝手が、その違いによりだいぶ変わりますね。

そこがまた職人手作りの味!



小さな斧状で握れば指にフィットします。
使ってみた感想は「顔・首・胸・腕」のケアがしやすいですね。

軽くて女性も使いやすいでしょう。



また2つのこのかっさを同時に使うことで、
お客様への施術にもちいれば、
頚部のリリースに特化して画期的に役立つ可能性を感じています。



私が普段使いでクールストーンという、
冷却用ストーンセラピーと同じ素材です。
すると珪石質で、薄さもあり強く落としたらガラスが割れるように。。。


だからとりわけ丁寧に使わせていただきます!!




( 出版元:主婦の友社 のページより http://shufunotomo.hondana.jp/book/b177422.html )

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




一般的な考えでは「かっさ」といえば、
皮膚をこすりつけることで刺激を与えて、
患部の血行促進を図る目的で使われます。



ただ皮膚を一般の方がイメージするようなかっさの使い方では、
かっさ本来の用途となって効果が表れるものですが、
筋膜がリリースされているかといえば、どうでしょう?

どう、思いますか?




筋膜の癒着はそのまま残って、はがされてはいないんです。
皮膚を一生懸命こすると、皮膚抵抗が増してリリースのための操作圧が弾かれてしまうので。


筋膜の癒着をはがすときには他の工夫が必要なんですね。

たとえば、2枚の紙がはがせるノリで糊付けしてあるとき。


2枚の紙をはがすには.jpg

そちらをはがすときには、2枚の紙の端っこの2枚の紙に分離しているちょっとしたはじっこ部分を見つけますよね。
それで両方の紙を一枚ずつ両手で摘まんでから引き離すんです。
すると、はがれますよね。



そうしますよね〜。


決して2枚の紙の中央部分の糊付けしてある部分を、
めちゃくちゃ必死に「こすって、こすって、こすって、こすって!!」
なんていうことはしないと思います。


だから筋膜リリースでも、同じことなんです。
上下で重なり合った筋肉同士の筋膜が癒着しているとき。
癒着して固定している部分をこすってもはがれませんよ!


かっさ効果の、血行改善やリンパの流れがでることはあるでしょう。

でもそれは筋膜リリースをしているわけじゃないんです。
だって2枚の紙の糊付けしてある固定された紙の個所をこすっても、
はがれる糊でさえ、はがせないのと同じことです。
(実際にやってみていただければ、はがせないんです)



筋膜リリースでも、
2枚の紙の端のはがせる部分を見つけ出すのと同様に、
癒着した部位のはがせる場所を見つけ出せば解けます。



接着固定された2枚の紙の中央部分をゴシゴシいくらこすってもいいでしょう。
紙がはがせるわけじゃないですが、紙はやぶれる程度の被害ですみます。


しかし人体のなかにある筋膜同士の癒着をはがすときに、
むちゃくちゃな部分をゴリゴリしすぎると、
筋膜がはがれるどころか、筋繊維がプチプチ断裂します。

筋繊維は多少断裂しても隣の筋繊維が肥大して仕事をカバーします。
だからある程度のことは問題なく、筋膜の癒着をはがす成果を取りに行けるのですが。
ですが、あまりプチプチ断裂させ過ぎると、確実に後遺症が遺ります。


そういう理由により、一般の方が自己流で筋膜リリースをしすぎては、
患部が腫れたり、体全体のバランスが崩れてしまわれたり。
人為的に起こされたダメージという、
リカバリーには施術者でも難しい事態に陥ることがあります。


なのでずり圧をもちいてリリースするという場合であっても、
様々な注意をもってあたらないとならないでしょう。



一般のお客様がセルフマッサージをするときは、
オイルマッサージをお勧めすることが多くあります。

マッサージオイルを用いたものとしていただけると筋繊維にダメージをあたえずに、
うまく筋膜の癒着が進んでオイル切れになった患部の油を刺して復活させる部分があるので。

オイルマッサージの勧め.jpg




うまいこと筋膜リリースができる”わけ”は。。。

施術をする先生方が筋膜リリースをするときは、
的確にはがせる場所を見つけ出しています。
またははがせる場所を作り出しているのです。

それにより安全性を高めつつ、
同時にリリース効果が出るわけなのです。


私もそういった様々な工夫をしていますが、
他の先生方もきっとそうでしょう。

どうしても大幅にリリースを企てると、
筋繊維のプチプチは否めないときもありますが、
極力、プチプチいわないように心がけています。





癒着した筋膜は乾燥してべかべかな糊づけ固定している部分を彷彿させます。


筋膜リリースでは、干からびたままの筋膜を無理にはがそうとすれば膜組織や筋繊維を損傷させます。
それは2枚の紙にはがせる糊ではない通常のヤマト糊で貼り付けたとき。
糊部分は干からびて2枚の紙を硬く接着する仲立ちをしています。
それを無理やりにはがそうとすれば、紙が破けますよね。
同様なことが起こるのです。



ならば!

2枚の糊付けされた紙の糊付けした部分。
そちらにお湯をかけて接着を弱めることができます。
はがれやすくするなら、容易にはがれるのです。


だったらホットストーンを用いての温熱対応で、
干からびた筋膜癒着部を温めてからリリースするとどうなるでしょうか?

結論として、蓄熱された患部には血液が集まりリンパの流れが促進されます。
それは永続的にではありません。
ホットストーンをどけて熱が冷めれば早々にまた干からびた筋膜の癒着へと戻ります。

それは2枚の糊付けされた紙の糊をお湯で接着を緩めたときと同じでしょう。
糊付け部分は放置すれば、再び乾燥して接着を強めるのです。

なので!


「あ〜ぁ、また徐々に固まっていく・・・」なんて言う暇はないです。
はがれやすくしたら、さっさと剥がすんですね!


そこで適切な筋膜の癒着をはがしやすい部分を端的に見つけ出して、
たったと、ちゃっちゃと、とっとと、はがしてしまう作業をします。


ポイントは、適当にベン石温熱器でこすりつけても、筋膜ははがれません。

意図的にはがせる場所を見つけてはがさない限り、
ホットストーンを外したら、患部の筋膜の癒着は早々に元通りになろうとします。

ここがわかっているかどうかが成果の大小を決める分岐点です。



はがしやすくしてはがすという発想です.jpg










posted by スズキ at 13:23| Comment(0) | ホットストーン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする