腹部奥の深層筋といえる大腰筋や腸骨筋などがコリの硬度が岩のようなものへと変質することがあります。
手技療法として、
腹診の本を読み漁り、
内臓マニュピレーションというオステオパシー系の腹部のリリース技術を学びました。
ただそれらが直接的に腹部奥の筋群を解くやり方を学べるものとはなりませんでした。
ですから私なりに詳細にその部位のリリースをかなえるためステップを20ほどに分け、
個人差により分けたステップのいくつかを適応させるようにして安全を図りながら施術。
そうした腹部奥の筋群が、体型上のみならず体質上のトラブルを引き起こすことがわかってまいりました。
ですがこの大腰筋や腸骨筋の岩のような硬さを持ったコリがある場合、注意が必要です。
大腰筋や腸骨筋という体幹部にこさえ続けたコリにより体を支えて使役し続けることを回避するだけの、
身体操作法を自身で積極的になさろうとする方以外にはこの部位は深く解くべきではありません。
理由は。
体幹の歪みを補正するため大腰筋や腸骨筋のコリを作って脊椎の倒壊を防いでおられるなら、
無意識下で必要不可欠だったから作り出したつっかえ棒として使われているものとなります。
がたが来て傾斜している母屋を、急場しのぎにつっかえ棒をかまして倒れないようにすることと同じことをしているのです。
つっかえ棒が倒壊を免れる切り札。
そうしたつっかえ棒を第三者が不用意に引っこ抜けば、倒壊を招くでしょう。
つっかえ棒を取るには、傾斜した母屋の建築物の基礎工事を済ませて整地し、
そのうえで母屋を垂直に立て直すものです。
そうしたらつっかえ棒は、すでに不要物。
それを人に置き換えて考察してみましょう。
お客様の身体操作上の腹部奥の筋群リリース上の適応度を推し量り、
取り除いても倒壊の憂き目が起きないかを質問しつつ観察し判断してまいります。
身体操作の要点を頭だけではなく体的にも理解を深めているか?
現状でのコリを作り続ける急場しのぎの身体操作の尻尾を掴み、
かえってつっかえ棒が設置したままでは、歪みが手放せなくなるようだ。
そうした状態とお見受けいたしましたときには、適量を緩めてまいります。
(急激に、この体幹のコリを取りすぎることは過矯正となります。
通常、人体は第三者からの過剰な矯正が与えられれば体調不良の原因になります。
今までのバランスにしがみつこうとする保守性が乱れ、
身体上の歪みはより複雑化します。
靴のインソール(フットベッド)による矯正は2割矯正がリミットで、
緩やかに時間をかけてその2割矯正に馴染めた頃合いに、
さらに2割矯正を上乗せしていくゆるやかな矯正が理想の結果を生み出します。
慢性化したコリのリリースはそれと同様のペースメークして施術をいたします。
ただそれほど悪化が進行していないようなら、もうちょっとペースをあげます。
しかし悪化進行が激しい方のときには、ペースメークは遅くしなければ、
変化に体がついていけないでしょう。
特に抗重力筋の主要な一角を担う大腰筋や腸骨筋のコリは慎重さが必要です。)
ただお客様のなかには、
お客様自らが本来の理想的な姿勢を熱心に研究する人がおられます。
フェルデンクライス・メソッドやバー・アスティエや気功やヨガやバレエなどで
腹の奥の深層筋にできたつっかえ棒を抜く準備ができているお客様です。
そうしたお客様がお通いいただけたことは、
本当に私にはうれしいことです。
腹部奥の筋群のリリースが可能なお客様です!
そうしたお客様方が、
身体上の安定感が飛躍することに驚きました。
先月・先々月に腹部奥の筋群をリリースさせていただき、
改善が進んだお客様が今月に施術に足をお運びいただくことで、
私は複数名のお客様に起きた変化の様子を観察計測し、実感いたしました。
お一人だけのお客様が特別というわけではなく、
他のお客様からも同様な良化を目にしたり耳にすることのありがたさ!!
お客様自身、毎回の腹部奥の筋群の凝りがリリースされるとき、
まだまだそんなに凝りがあったのか!と驚かれる人もいます。
ですが前回の凝りの部位と同一部位が同様に固まってばかりおりませんで、
新たな深部の凝りがさらに奥からひょっこりと顔を出してきてくれている。
そうしたこりのサイズや温度、硬度、分布などを頭に入れて施術をすると、
こうした消化器等の裏に裏に入り込んだ凝りが緩んで落ち着くことは、
どういった着地点に向かうのか。
抽象的なものの表現で申し訳ありませんが、
お客様ごとに多様な変化の安定を見いだせます。
ただ施術者としまして、
ディープフロントラインの腎経の経絡類に属する大腰筋は、
後天の精を貯める腎臓の気の満ち方からの影響からか、
不思議なことがあります。
中医学的なものの見方?では。
人体のなかを通る気の役割は
電気で動く仕組みの筋肉や各組織の電気的なエネルギー源としてなり、
血液という陰液物質を軽快に目的の組織まで送るとき、重さのない気によって軽快に運ぶ乗り物となり、
同時に気には気持ちや感情などを記憶するレコーダー役にもなります。
大腰筋や腸骨筋が強力な凝りで気の流れが停滞すると、
ケース・バイ・ケースですが施術中に施術者がお客様の記憶や感情なのだろうかという幻影を見ることもでてまいります。
感受性が強い先生は、そうしたことを感じたことがお有りな方もいるでしょう。。。
大腰筋は胸椎10番目から下行って腰椎5番までと体幹に広く付着点を持つ脚部の筋肉です。
大腰筋の極度な凝りがある場合、仕事上等の推進力に躊躇し勇気が発揮できづらくなるものといわれています。
それは腎経のトラブルで生じる感情面の傾向でもいえることですが、
胆力を司る部位を通る脚部の筋肉が硬直して機能性が弱化することからも推測できることでしょう。
つまりこちらの大腰筋の極度な硬化した凝りをリリースすることで、
ときにはかつて得たネガティブな記憶が大腰筋に溜まりやすいものが外へと出ていってくれます。
(そのときに施術者が、その邪気に合うことで、
全身もだが特に患部組織に接触した手が死人の手ほどに冷たくなったり、
交感神経が極度に高まり続ける状態を平静に落とせなくなって激ヤセやらネガティブ思考が巡りだします。
施術者の先生方は対策ができていても身を守るために注意を要するでしょう。
お客様が内臓の疾患がおありになるときは、忌避とさせていただく必要があります)
ただそうした大腰筋内部の凝りが減じられ邪気が外に出ていって減少したお客様は、
メンタル上の安定した状態へと近づかれたかとお見受けされる方もおられました。
これは私がお客様との会話の中で、声のトーンや落ち着きかすれのなさなどの質、
勇敢なことをおっしゃられるじゃないか!と手をたたきたくなるお話などからも感じました。
以前も大腰筋内部はカウンターストレインなどのオステオパシー系の手技やその他の手技を用いて対応したが、
今は段階的にその際の深さが格段に深まったことにより、
こうした感情や勇気のような面の気持ちの変容を語るお客様が複数名どっと出て参られたように感じています。
これは大腰筋がゆるんだからか姿勢が格段に良くなった成果か。。。
特定することは難しいが、単純に腹部奥の筋群に岩のような硬さの凝りがあれば、
胆力を発揮しづらくなるものではないでしょうか。
こうした大腰筋の凝りは伸筋の過緊張を意味しており、
逃げるか戦うかの交感神経優位状態が心身ともに拭えなくなります。
背中側の起立筋等の抗重力筋郡が恒常的な硬化でも同様と思われますが、
大腰筋などの内臓側に位置する抗重力筋は背中側のそれよりも影響が強い可能性があるのか?
計測器での検証は難しいでしょうが、お客様からの体験談でそうみてとることができそうです。
私は長年にわたりアダプトゲンハーブという、抗ストレス作用のあるハーブの研究をしてまいりましたが、
アダプトゲンハーブを摂っても張りの強い緊張の糸が緩まない人たちも数十名見てきました。
つまり過度なストレスを感じないよう感受性を制限するハーブだけじゃ、さっぱり効かない人たちがいました。
推測ですが、そうしたアダプトゲンハーブの利用に足して大腰筋や腸骨筋等の交感神経を過度に継続的にスイッチを入れ続けて心がすり減る状態を、腹部奥の筋群のリリースにより印象が変わってくる可能性があるのでは?
つまり大腰筋や腸骨筋の凝りを緩めてメンタル上の抗ストレス作用が期待できるのだろう。
アダプトゲンハーブの手を借りつつ、身体的な課題にも手を打つことがあればメンタル上の過剰なストレスを最適化してくれるのでしょうか。
そこは私にとって研究課題の一つとなるでしょう。
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